世の中の色々なことを知って
真夜中の回転木馬にのり
戦う意味を考えている
宗教も哲学も科学も思想も
宇宙に逃避しているみたいでわからない
出典: Amen/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
「戦う意味を考えている」というのは、物理的な戦いではなくおそらく精神的なもの。
世の中に溢れている人々の目に見えないものですらまるで宇宙のごとくよくわからない。
何が自分にとって価値のあるものか。
人と自分との価値観や思想、そういったすべてが入り乱れて「戦い」と表現しているように感じます。
子供のころの思い出
僕が子供の頃手を引かれ
あの夏の日 川沿いを歩いた
空は高く青く気高くて
母と一緒にお祈りした
出典: Amen/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
すごく懐かしさを覚える歌詞ですね。
子供の頃を思い出し、その時の情景までイメージできます。
「空は高く青く気高くて」という表現に、今とは違う”昔はよかった”という想いが感じ取れるのは私だけでしょうか。
若かりし頃は戦うことが容易だった
雨にも負けて 風にも負けて
冬の寒さに耐えかねて また空を見た
負けひれ伏しても幸せだった
一家四人がよりそい眠った
エイメーン 1億万回お祈りするから
エイメーン 僕が生まれた場所へ
今すぐ帰りたい
出典: Amen/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
「負けひれ伏しても幸せだった」あの頃を思い出しています。
目の前にどんなつらい壁があったのでしょうか。
きっと空を見て家族一緒に眠った幸せな日々を思い出すことで乗り越えてきたのだと思います。
負けて負けて負けて、悔しい思いや理不尽な思いをすることもあるのでしょう。
「僕が生まれた場所へ今すぐ帰りたい」ということで、心の声が聞こえていますね。
”逃げ出す”というのとはまた違う、ただ、あの頃に戻りたい。
そんな願いでしょうか。
人生を重ねることで戦うことが増えているような、そんな気持ちが汲み取れました。
孤独を感じている
真夜中の回転木馬は回り続け
僕がいったいどこにいるのかわからない
いつも手を振る愛おしい姿もなく
漆黒の闇の中に葬られていく
僕が僕であり続けるために
人を打ち負かすのはもうやめよう
人生のつぶし合いに今日も明け暮れて
生きる意味を見失ってしまうから
出典: Amen/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
「漆黒の中に葬られて」強い孤独のイメージが伝わってきます。
母や一家四人という家族の象徴的な表現がなくなり、ここでは自分の居場所すらわからなくなってしまった。
だからこそ、その暗闇を抜け出なければいけない、と次の歌詞に続きます。
自分や生きる意味を見失うことの怖さを伝えてくれているようです。
現代の生きづらい世の中を自分を保ったまま生きていかなければならない、そんなメッセージです。
生まれた場所はどれほどの安堵の地なのでしょうか
雨にも泣いて 風にも泣いて
冬の寒さに耐えかねて また空を見た
泣きひれ伏しても明日を探した
ずっとこのままでいられますように…
エイメーン 1億万回お祈りするから
エイメーン 僕が生まれた場所へ
今すぐ帰りたい
出典: Amen/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
1億万回お祈りするから生まれた場所へ今すぐ帰りたい。
それほどまでに”生まれた場所”というのは私たちとって重要なのかもしれません。
ルーツといってもいいですよね。
自分のルーツに戻って、何を得たいのか。
安らぎなのか、幸せなのか。
この歌詞から読み取れることは多くありますし、人それぞれだと思います。
でも私は、「回転木馬」「壮大な景色のある教会」「生まれた場所」から感じたことは「再生」です。
回転木馬のようにぐるぐると抜け出せない現状からの脱却。
そして開けた目の前の先には美しいものが広がっている。
自分のルーツである生まれた場所、母の温もり、家族と過ごした日々・・
そんなものを”大人になった今でも”必要な時があるのだと思います。
昔と今を比べて憤りを感じてしまうこの世の中を生きるには。
そんなメッセージがあるのではないでしょうか。