モノトーンな日常
MV
一見すると、歌詞から刺激的な恋のドキドキが描かれているような印象を受けるかもしれません。
しかし、MVを観てみると印象が変わります。
どんよりとした空気。
冷めた感情。
デフォルト化されたいつもの日々は退屈そのもの。
「いま」に不満があるわけではないけれど、なにか物足りない。
MVに描かれたモノトーンの世界からは、つまらない現実へのフラストレーションが感じられます。
求める気持ち
注意深く歌詞を見るとMVと同じ感情を読み取ることが出来ます。
でも思いがけないワクワクが欲しい
出典: スパイス/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
欲しいものが得られないもどかしさ。
「ワクワクが欲しい」のは「ワクワクがない」からだと言えます。
ワクワクのないつまらない現実とその空虚さ。
そんな誰しも経験する気持ちがこのフレーズににじみ出ています。
現実へのジレンマ
MVには現実に抗う姿も描かれています。
それがケーキを踏み潰すシーンです。
ケーキに象徴されているのは退屈を埋める為の刺激。
現実逃避ともいえるかもしれません。
その象徴であるケーキを壊す行為。
それは、今まで自分を満たしていたであろうものの否定。
現実への抵抗を意味します。
こんなもの甘くなんてない。
欲しいものはこんなものじゃなかったんだ、と。
退屈を埋めるのではなく、その現実を変えようとする姿が描かれているように思えます。
恋のハラハラ
では、さらに詳しくサビの歌詞を見ていきましょう。
期待と不安が入り混じる感情が表れています。
刺激と不安
知らない方がいいのかもね (Maybe)
恋するほどハラハラするわ (ハラハラするわ)
同じ部屋で触れていても (ah-ah)
距離は遠くに感じてるの
出典: スパイス/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
恋は刺激的なもの。
それは日々に色どりを与える魔法のようです。
しかし、それと同時に不安を抱えることも多いのが現実ではないでしょうか。
好きになればなるほど様々な欲求が生まれてきます。
もっと相手のことを知りたい。
もっと一緒にいたい。
もっと愛されたい。
もっと、もっと、もっと、、、
求める気持ちが大きくなると、今度は不安が押し寄せます。
相手は自分のことをどう思ってるんだろうか。
本当に自分で良いのだろうか。
みなさんにも、そんなハラハラするような経験があるのではないでしょうか。