スピッツ「ハチミツ」とは?
「ハチミツ」は、スピッツの通算6作目のアルバムである『ハチミツ』に収録された楽曲です。
アルバム『ハチミツ』は1995年9月20日に発売され、表題曲となった「ハチミツ」は上に掲載しているように、PVも作られました。
ちなみに、アルバムのジャケットには、左右反転写真が使われています。
当時使われていたフライヤーの画像などと比べると、ジャケットでは女性の指輪が逆だったり、背景に映る河岸の草むらなどの形は全く同じなのに、対岸にいるようになっているのがわかります。
このジャケットを担当しているのは、ジャケットデザインでは超有名な木村豊さんで、収まりがよかったのとちょっと違和感を感じるのが面白かったからとだとか。
ちなみに、ジャケットモデルを務めているのは守屋綾子さんです。
「ハチミツ」の仮タイトルは〇〇!?その理由は?
スピッツといえば、仮タイトルが公表され話題になることも多いですよね。
仮タイトルの中にはリリースされた時のタイトルとは似ても似つかないものもあれば、同じアルバムに収録されている「歩き出せ、クローバー」の仮タイトルが「石神井への道」、「ラズベリー」の仮タイトルが「キョンキョン」であったように、元々のイメージや着想を得たものが仮タイトルになっているもの、「ロビンソン」のようにそのまま仮タイトルがタイトルとして定着したものもあります。
では、「ハチミツ」の仮タイトルはというと、「珍曲」だったそうです。
この仮タイトルだけ見ると、変な曲できちゃったってこと?と思う方もいるかもしれませんね。
真相はというと、インタビューなどでも詳細は公表されていないため、ヒントは楽曲から拾うしかないようです。
というわけで、なぜ「珍曲」という仮タイトルだったのかという謎を解き明かすべく、この後歌詞を徹底的に解釈してみます。
全ての歌詞を解釈した先の結論は...!?ということで、最後までお付き合いお願いしますね。
スピッツ「ハチミツ」の歌詞解釈
しけったビスケットのような日々
一人空しくビスケットの
しけってる日々を経て
出会った君が初めての
心さらけ出せる
出典: https://twitter.com/spitzlyrics/status/924627277484244992
内向的な性格の「僕」は友達も恋人おらず、一人虚しい日々を、しけった「ビスケット」のように過ごしていました。
サクサクの「ビスケット」は人気者ですが、しけってしまうと、嫌われて、捨てられてしまいますよね。
じめじめとした性格の自分は誰にも好かれない嫌われ者だったということを「ビスケット」に例えることで、歌詞の印象をサビの「ハチミツ」の甘いイメージと統一しているのでしょう。
しかし、そんな「僕」が「君」と出会い、初めて本当の心をさらけ出すことができたのでした。
運命の出会いが描かれた歌い出しの歌詞、続きが気になりますね。
一人ぼっちの日々は「素敵な恋人」が変えてくれた
素敵な恋人 ハチミツ溶かしてゆく
こごえる仔犬を 暖めて
懐かしい遊びが甦るのは
灯りの場所まで 綱渡りしたから
出典: https://twitter.com/spitzzzzz1987/status/914797107332055041
しけったビスケットのように硬くなった「僕」の心を、「素敵な恋人」 になった「君」は「ハチミツ」のようにとろとろに「溶かしてゆく」のでした。
「僕」の心をそんなふうに変えた「君」の優しさは、「こごえる仔犬を暖め」るように優しく、「懐かしい遊びが甦る」ような懐かしい温かさ。
そして、「灯りの場所まで 綱渡りしたから」という歌詞は、そうやって心を開けるような「灯り」のような温かな関係になれたのは、「綱渡り」のようなドキドキハラハラするような困難や、紙一重の奇跡を二人で経験したからということを歌っているのでしょう。
「君」も前は「意地っ張り」で「シャイな女の子」だった
ガラクタばかり ピーコートの
ポケットにしのばせて
意地っ張り シャイな女の子
僕をにらみつける
出典: https://twitter.com/Spitz19671221/status/921654612116901889
「君」の温かさに触れて、心を開いていった「僕」は、子供の頃した「懐かしい遊び」に思い至り、そして、昔の「君」を思い出したのでした。
「ガラクタばかり ピーコートの ポケットにしのばせて」いるような、「意地っ張り」で「シャイな女の子」で、子供の頃の「君」はいつも「僕をにらみつけ」ていたという記憶。
その頃は「僕」を睨みつけるその子が何を考えているかなど分からず、話したこともなかったのでしょう。
また「君」の方も本当はにらむつもりなんてなくて、「僕」のことが気になるのに何と話しかけたら良いか分からず、見つめていただけだったのかもしれませんね。
きっと、大人になって再会し、お互いに違った一面を見つけていったのでしょう。