曲の一番初めの歌い出しの時に映し出される黒いワンピースの少女がいます。

街灯りを見つめ佇んでいます。

この少女だけは少し物思いにふけったような表情で街を徘徊しています。

孤独を感じ独りで街を徘徊しているようにも見えます。

途中である少年がその少女をスマートフォンの写真におさめます。

そしてその写真をアーティスティックに加工して満足げな笑みを浮かべます。

ここから筆者が感じたのは、

自分がどんな人だったとしても、知らない間に「誰かにとっての何か」になっているということです。

どういうことか、もう少し噛み砕いて説明したいと思います。

『少女はおそらく孤独を感じている。

でもそんな少女の佇まいが少年にとっては絵になると感じ、満足のできる一つの作品ができた。

少女はその少年に対して「何か」をしようとした訳ではない。

ただそこに居ただけ。

でもその少年にとってその少女は「一つの作品」という「何か」になった。』ということです。

この少女も最後は優しく微笑みます。

夜の街を徘徊することで、孤独や物思いにふけっていた何かに対して答えを見つけたのかもしれません。

心の中にはボーイズがいる

少年少女が映し出される合間に、アジカンのメンバーも映し出されます。

年齢的には「おじさん世代」になっていますが心には「ボーイズ」がいます。

少年のように自然に笑うメンバーの姿に本当にほっこりさせられます。

特に中高生ぐらいのバンドマンらしき少年2人が写った後、メンバー4人が映る場面は本当に象徴的です。

まだまだ少年の心を忘れずバンドを続けていくのだろうと思わしてくれます。

このように映像全体的にとても優しい気持ちになれる素敵なMVになっています。

歌詞を覗き見

タイトルや歌詞と非常にマッチしているMVですので、歌詞も少し覗いてみましょう。

優しく寄り添って背中を押してくれる

教えてよ そっと 夢と希望
まだ はじまったばかり
We've got nothing

出典: ボーイズ&ガールズ /作詞:後藤正文 作曲:後藤正文

世代とか年齢とか関係なく夢や希望を持つことって本当に素敵なことですよね。

それを「教えてよ」と優しく寄り添おうとするところが今のアジカンらしいと感じます。

夢や希望を持って、それを追い続けることは時に辛くしんどいこともあります。

上手くいかなくて、なかなか夢や希望に近づけていないような気になり焦ったりもします。

それを「まだ はじまったばかり」と優しく背中を叩いてくれます。

「We've got nothing」は「僕らは何も持っていない」という意味です。

これからだよ、焦らなくていいよ、と言っているようで非常に励みになるフレーズです。

自分にしかない大事なものをずっと

何かが正しい 僕らに相応しいこと 見つけて
それをギュッと握りしめて
嗚呼 いつか老いぼれてしまっても 捨てずに
新しい 扉を開こうか

出典: ボーイズ&ガールズ /作詞:後藤正文 作曲:後藤正文

全ての少年少女に「相応しい何か」が必ずあるはずです。

他人に押し付けられた「何か」ではなく、

ひとりひとりの「相応しい何か」を大事にしようと歌っています。

またここのフレーズで現代の若者だけに対してだけの曲ではないことがわかります。

「老いぼれてしまっても」ですので、それぞれの心の中にいる少年少女に向けた曲なのです。

まとめ

アジカンの久々の新曲全ての少年少女に向けた応援歌です。

全ての世代に向けて、全てを受け入れて、それぞれがそれぞれらしく頑張ってほしい。

そんな願いが込めれているように感じます。

そしてその優しく寄り添うような応援歌に最高にマッチしたMVをご紹介しました。

等身大の現代の少年少女の笑顔が本当に素敵です。

楽曲により深みを出してくれるセンス抜群のMVでした。

そういえば、MVの一番最後にゴッチさんが何か言っているように見えますよね?

筆者には「頑張れ」と笑顔で言っているように見えました。

皆さんはなんと言っているように見えましたか?

あわせて読みたいアジアンの記事

『夜は短し歩けよ乙女』の映画主題歌として書き下ろされたアジカンのシングル『荒野を歩け』。不思議な世界観を醸し出しているこの曲の真意を分析してみました。映画と歌詞との共通点や『四畳半神話大系』との関連についても紹介していきます。

前作のシングル「荒野を歩け」の記事もあわせて読んでみてください。

小説同様の不思議な世界観の歌詞に迫ってみましょう。