陽だまりは日当たりの良い場所のことを意味しますが、そういった温かくうららかな環境の中で、二人穏やかに過ごしている。そんな何の変哲も無い日常だけれども、君の存在だけで自分にとっては、そのひと時がとっても貴重な時間になるのだという。
とってもほのぼのとしている情景が思い浮かびますね。
ちょっとおのろけ
近すぎるとたまに忘れてる
知らず知らずのうちに
わがまま言ってしまうのに
優しく包んでくれる
出典: http://www.uta-net.com/song/96497/
そんなほのぼのとした貴重な時間のはずなのに、ついそんなことも忘れてわがまま言っちゃったりして迷惑かけたりするんだけど、そんな私のことも彼は優しく温かい包容力で私を包み込んでくれる。
これははっきり言ってほとんどおのろけですね。でもそんなおのろけを聞いて腹が立ったりしないのが西野カナの不思議な魅力の一つです。むしろそれだからこそ、ストレートに歌詞の情感がひしひしと伝わってきます。皆さんも同じような気持ちを味わったことがあるのではないですか。
願い
このままで時が止まるなら
二人で見つめていたい
Ah この景色 百年先もずっと
永遠に変わらないように
出典: http://www.uta-net.com/song/96497/
直前までおのろけでしたが、それでもそんな時間はいつまでも続くことはないと、どこかで悟っているところがあるのでしょうか?
だからこそこのままこの素晴らしい時間が止まってほしい、百年先も変わらない景色を一緒に見つめていたい、と願っているのではないでしょうか。
幸せをかみしめて
夜風が少し 冷たくなって
そっとかけてくれたジャケット
君の香りに包まれながら
ずっと優しい夢を見てたい
出典: http://www.uta-net.com/song/96497/
寒くなって彼氏がそっと自分のジャケットをかけてくれる、女子の超憧れの一つですよね。そんな幸せが、幸せすぎていつか自分の手からすり抜けてしまうのではないか、幸せすぎるとかえって不安になったりしますよね。
西野カナはその辺の心情の機微の捉え方が本当にうまいですね。
幸せすぎると怖くなって
確かめたくて
この空に寄り添う星みたいに
消えないように
出典: http://www.uta-net.com/song/96497/
”この空に寄り添う星”というのは、永遠性を意味しています。夜空の星の位置というのはもう、何千年も何万年もほとんど変わりませんよね。もちろん季節と時間によって見える位置は相対的に変わりますが、空に星が”寄り添う”と擬人化しているところに、西野カナの詩人としての資質を感じました。
このままで時が止まるなら
二人で見つめていたい
Ah この景色 百年先もずっと
永遠に変わらないように
心はずっと変わらない
このままで時が止まるなら
二人で見つめていたい
Ah この景色 百年先もずっと
永遠に変わらないように
出典: http://www.uta-net.com/song/96497/
ただ、二人のこの幸せな時間が永遠に続きますようにという願いですね。
なんでもないようなことが特別な幸せに感じられた、と過去形で表すのは、大変多くのj-popの歌詞に流れる普遍的なテーマの一つだと思います。
しかし西野カナの場合は、願いという形でこれからも継続していきたいという風にして、それをここまで情緒的に歌い上げています。他にももちろんあるとは思いますが、西野カナの願いの形は、いじらしくて可愛らしいですね。
歌詞のまとめ
この曲はもちろん直接的には、恋人同士との幸せな時間が、このままずっと続きますようにという願いが込められた、甘く、そしてなぜだかどこか切ないラブソングだと思います。
一見歌詞だけ見るとおのろけソングとも取れるのに、どこか切ないと思わせるのはやはり西野カナの凄いところです。これは恋人に対してだけでなく、友達同士、家族にも言えることかもしれません。
きっと今ある当たり前だと思っていることは、それがどんなにいつまでも続くと思っても、いつか必ず滅びる、そうどこかで西野カナは感じ取っているのかもしれませんね。そう考えるとちょっと切ないですね。
幸せだけど、そこはかなく迫り来る不安と未来への願いという心情を表したこの歌詞は、男女問わず多くの人の心を捕らえます。