見えていなかった風景
一人になってわかったこと
見過ごしていた この小さな風景
どうして ずっと 気づかなかったんだろう
出典: 小さな風景/作詞:小田和正 作曲:小田和正
いつも通っていた道ならば、何もかもが見えていたはずです。
通り沿いにあるお店・信号機の脇の植え込み・歩道の敷石の凹みも見えていました。
自分が見ていたものを伝え、それを聞いた君が答えを返してくれました。
話が弾んで君が笑顔になった記憶も残っています。二人は同じものを見ていると思っていました。
一人になってやっと分かったこと…。
君の目に映っていたものは、僕には見えていなかった景色。
些細なことと見過ごしてしまった僕には、見ることが出来ませんでした。
それを後悔しても、もう遅いことが自分を責め立てます。
心に届く明るい陽
甦るあの日の風景
ふりそそぐ こもれ陽が
足もとに 落ちてゆく
出典: 小さな風景/作詞:小田和正 作曲:小田和正
幸せも一緒に降ってくるように感じられる、日差しが当たる道。
街路樹に茂った葉たちで、差し込む光が柔らかさと暖かさをまといます。
立ち止まった地面に映る影に視線を移せば、葉が作る影に心が揺らされます。
あの時は見えなかった、心の奥の細かい部分を見るような揺らぎから視線が外せません。
その時聞こえたのは、君の声でした。
忘れていないはずの言葉
本当に信じていた
明日は 必ず いい日に なるから
出典: 小さな風景/作詞:小田和正 作曲:小田和正
嫌なことがあった日、嫌なことが続く時、もう布団被って寝るしかない日、誰にでもあります。
嫌なことの削除の方法も、忘れ方も分からなくなってしまうことがあります。
『イイことあるから大丈夫』こんな言葉で嫌なことがあった日を締めくくれば、明日はまた違う景色を見ることが出来るはず。
揺れる影を見ている僕は、君に言われた言葉を忘れていません。
君が思いやりを込めて前を向きながら掛けてくれた言葉が、立ち直るきっかけにもなっていました。
君の言葉を素直に受け止めたはずだったのに…。
僕だけが思っていたのではなく、お互いが同じ思いで、同じ方角にある景色を見ていると信じていました。
君はいつも変わらない人だった
いつも君は そう言っていた
包むように やさしい笑顔で
出典: 小さな風景/作詞:小田和正 作曲:小田和正
君の声や話すアクセントを今でも覚えています。微笑むように僕に話しかける表情も忘れていません。
君はいつも変わらない人でした。
一緒にいつもの道を歩く時、日差しの中で小さく笑っている時、いつも眼差しは穏やかでした。
落ち込む僕に、気持ちのない慰めではなく、離れていても感じる癒しをくれました。
どんな時もフラットな心で僕といる姿が君だと思っていたのに、それは僕の独りよがり。
君の心のもう一つの部分を見つけることが出来なかった僕は、まだ立ち止まったままです。