【今夜/BRAHMAN】映画『あゝ、荒野』の原作者がTOSHI-LOWの原点に…歌詞の意味に迫る

2017年10月に二部作で公開された映画『あゝ荒野』。

菅田将暉さんがアカデミー賞最優秀男優賞を受賞したことでも話題になった作品です。

この映画の主題歌に起用されたのがBRAHMANの「今夜」です。

母親に捨てられて、やさぐれ気味の新次(菅田将暉)と父親の暴力、吃音、アガリ症に悩む建二(ヤン・イクチュン)。

そんな二人が、堀口(ユースケサンタマリア)の指導のもと、ボクシングにのめり込んでいきます。

それぞれの登場人物が自分自身への孤独感を感じているのですが、二人がプロボクサーを目指して奮闘する姿がとても美しい作品です。

新次と建二の性格は、一見真逆のように感じますが、育ってきた環境がなんとなく似ていたりして、本当に兄弟のような存在にも見えてきます。

楽曲「今夜」もそんな二人のことを歌っているように感じるフレーズがたくさんありました。

「今夜」の作詞はボーカルのTOSHI-LOWさんが担当しています。

胸に響く言葉の原点には、『あゝ荒野』の原作者である、寺山修司さんの影響が大きかったのだそうです。

寺山修司さんは、詩集、俳句、短歌など、短い言葉の表現力が巧みな詩人ですが47歳という若さで亡くなりました。

ちなみに『あゝ荒野』は寺山さんの最初で最後の長編作品でした。

TOSHI-LOWさんが学生時代に出会った寺山さんの言葉が今も体に染みついているからこそ、名曲「今夜」が出来上がったのでしょう。

寺山さんの言葉に初めて感銘を受けてから何十年後に、まさかその寺山さん原作の映画主題歌を担当してしまうなんて……。めぐりあわせって本当にすごいですね！！

映画『あゝ荒野』の世界観をそのまま表したような、リングで撮影されたMVです。

TOSHI-LOWさん、プライベートでもジムで鍛えているだけあってボクシング姿がとっても素敵で、まるで映画のワンシーンのように思えます。

初めはモノクロのMVが終盤にTOSHI-LOWさんが叫ぶシーンから次第にカラーに変わっていきます。

時の流れを表しているような演出が映画『あゝ荒野』にも繋がっているように感じました。

「今夜」は、the HIATUSやMONOEYESのボーカルを務める細美武士さんがコーラスで参加しています。

この二人はthe LOW-ATUSというグループを結成しており、プライベートでの仲の良さも有名ですね。

まさに、映画の中の新次と建二のように、ともに同じフィールドで戦う仲間といったところでしょうか？

フェスや対バンで一緒になった際は、細美さんのコーラスとともにBRAHMANの「今夜」が聴けるかもしれませんね！！

辛いとき、悲しいときに流す涙……。いろいろなことを思い出し、孤独を感じてしまいます。

頭の中でぐちゃぐちゃ考えてしまう前に目を閉じてしまおう。そうすればいつの間にか眠ってしまうでしょう。

一晩寝たら忘れるってよく言いますよね！！

実際はそんなに簡単なことではないかもしれませんが、眠ってしまえば少しは気が紛れるはずです。