新たな冬の定番曲【メレンゲ】
配信シングル【メレンゲ】
高い演奏技術と音大卒の確かな知識を武器にポップソングを量産しているマカロニえんぴつ。
「全年齢対象ポップスロックバンド」と自称するとおり、幅広い層から支持される人気バンドです。
そんなマカロニえんぴつが2021年2月に配信シングルとしてリリースした【メレンゲ】を今回紹介していきます。
リリース前日にプレミア公開された、壮大な雪景色の中で演奏するMVも話題になりました。
バンドサウンドに加えてストリングス等を効果的に導入した、バンドとしてさらなるステップへ向かった曲です。
4月にリリースしたメジャー1stEP『はしりがき』にも収録されています。
バンドを代表する曲の1つといえるでしょう。
「JR SKISKI」タイアップ曲
「JR SKISKI」のキャンペーンソング(2020‐2021)としてCMで聴いたことがある人も多いかもしれません。
「JR SKISKI」はJR東日本が1991年から展開しているスキー旅行のキャンペーンです。
同キャンペーンのタイアップ曲は毎年その冬を代表するヒットソングになっています。
特にglobe【DEPARTURES】、GLAY【Winter,again】は90年代の冬の曲として確固たる地位を築いています。
他にも木村カエラ【Snowdome】やback number【ヒロイン】など名だたる曲がタイアップしてきました。
そんな中2020‐2021年度のタイアップ曲に抜擢されたのがマカロニえんぴつの【メレンゲ】です。
過去の例に漏れず【メレンゲ】も間違いなく冬の定番曲となることでしょう。
そんな、令和の冬を代表することになるだろう【メレンゲ】の歌詞を解説していきます!
メレンゲとゲレンデ
スノウ 街の色をスロウで消してゆく
マッチ売り、油売ってばっかでした!猛省
行き場は雪場に問うぜ どうだいメレンゲ
出典: メレンゲ/作詞:はっとり 作曲:はっとり
作詞作曲を手掛けるギターボーカルのはっとりによる言葉遊びが冒頭から炸裂します。
「スノウ」と「スロウ」、「マッチ売り」と「油売って」、「行き場」と「雪場」。
リズミカルに歌われるこの冒頭のラインは聴いていてとても気持ちいいですよね。
似た言葉や同音異義の言葉を巧みに使った後に登場するタイトル「メレンゲ」。
直前の流れからこれは「ゲレンデ」に掛けた言葉だと考えることができます。
「雪場に問うぜ」と宣言した後に「どうだい」と問いかけるのならストレートにいけば「ゲレンデ」でしょう。
しかしあえて「ゲレンデ」を「メレンゲ」に変換することがこの曲に深みを与えていくことになります。
ゲレンデはドイツ語でスキー場を意味する言葉です。
先述したようにJR SKISKIのタイアップ曲であることからもスキー場を背景とした曲だと考えていいでしょう。
「翼」の意味するもの
「翼」=「スキー板」
白い空を飛べたあの翼は なぜ仕舞ったんだろう
また僕を好きになりたい 生まれ変わったりする以外で
出典: メレンゲ/作詞:はっとり 作曲:はっとり
【メレンゲ】の歌詞には「翼」という言葉が何度か登場します。
仕舞ってしまったもの、今は外してしまったものとして歌われる「翼」。
スキー場を舞台としているとすれば、この「翼」はスキー板を意味していると考えられるでしょう。
ゲレンデを滑降することは空を飛ぶようだと例えられることもあります。
さらにスキージャンプで揚力を使って飛ぶ際、スキー板は飛行機の翼と同じ役割を果たします。
「翼」を外したのは何故?
飾りにしてはもうこの翼は重すぎるけれど
悲しみばかりの日々を少しだけ まだ飾ってくれるかい?
出典: メレンゲ/作詞:はっとり 作曲:はっとり
確かに飾りにしてはスキー板は重いですよね。
空を飛べた「翼」は飾りと化し、今は悲しみの日々を生きている。
スキー板が飾りとなるのはシーズンが過ぎた春です。
空を飛べて、まだ「僕」のことを好きでいられた冬に一体何があったのでしょうか。