AIのすごさを知りたければバラードを聴いてみよう
今回は、AIさんのバラードの中でも特に人気が高い「Believe」を ご紹介します。AIさんと言えば本場仕込みのR&Bというイメージも強いと思いますが、彼女の真骨頂はバラードにあります。
バラードは、「ささやくように」歌ったりしますが、下手をすると歌詞が聴こえなかったり、高音が揺らいでしまったりします。
そうならないために、歌手はしっかりと腹筋の「支え」を使いながらブレスをコントロールしないといけません。
AIさんは、これが低音から高音に至るまで非常に安定しているので、聴いている方も安心して曲に身を委ねることができます。「Believe」は、Jazzyなイントロも注目です!まずは聴いてみて下さい♫
「Believe」は、大人気ドラマ『医龍-Team Medical Dragon-』主題歌!
AIさんが歌う「Belive」は、2006年に始まったヒットドラマ『医龍-Team Medical Dragon-(フジテレビ)』の主題歌に起用されました。
坂口憲二さん演じる主人公が、権力闘争に背を向けて患者を救う姿が印象的でしたね(権威主義を嫌って必死に患者の命を救う主人公は、『ドクターX』を始め医療ドラマの定番なのかもしれません)。
ちなみに、「バチスタ手術(心臓手術の一種)」という言葉を、このドラマで初めて知った方も多いのではないでしょうか。
ドラマの人気とともに「Believe」もヒット
以前から『医龍』の漫画を読んでいたというAIさん。ドラマの放映に合わせ、「Believe」は2006年の4月19日にユニバーサルミュージックから発売されました。
発売直後から売れ行きが大変良く、2006年4月の第3週オリコンランキング(シングル)では、堂々の2位にランクインしています!
ちなみにシングルとは言っても、「Believe」には新曲4曲を含む5曲が収録されています(5曲目は「Beleive」のインストゥルメントバージョンです)。かなりお得感がありますね!
歌詞の意味を分析!
まずはAメロ♫
どこか遠くで声がきこえる
暗闇の中で 名前を呼ぶ方へ
向かっても 何も見えないとき
ただヒザかかえ うずくまってた
不安と孤独おそう この場所から
やさしく手にぎって 連れ出してくれた
出典: Believe/作詞:AI 作曲:AI・DJ TAKUYA・JiN
Aメロの冒頭に登場する人物は、何か辛い試練や出来事に直面して深い孤独を感じているようです。表向きは、もしかしたら元気に見えるかもしれません。
でもその人の心の内は、「不安」や「誰も頼る人がいない」という怖さで一杯なのでしょう。だからこそ「誰も私の気持ちを分かってくれない」と感じてしまうのかもしれません。
ネガティブになると、実際に視野も狭くなってしまいます。そういう時は、解決策も見えなくなってしまいますね。そんな時、登場人物の前に誰かが現れて、優しく手を差し伸べてくれます。
サビを見てみましょう♫
光のさしこむ方へと 今 歩き出す
守るものがあるから 強くなれる
どんな痛みも どんな悩みも きっと受け入れられる
だから大丈夫 アナタの声はきこえてるから
出典: Believe/作詞:AI 作曲:AI・DJ TAKUYA・JiN
ここから、手を差し伸べてくれた新たな人物(AIさんと捉えて良いでしょう)の視点も入ってきます。そっと包み込んでくれるような温かさが伝わってきますね。
注目したいのは「(あなたは痛みや辛さを)受け入れられる」という言葉です。悩みや痛みを解決する方法は、それを「拒む」のではなく、まずはありのままを「受け入れる」事がとても大切と言われます。
受け入れて初めてその状態を観察でき、そこから解決策を探れるからです。「不安や苦しみも人生の一部。そしてそれは永遠には続かない」と理解する事で、初めて前に進む勇気も湧いてきますね。
AIさんは、その事を伝えようとしたのかもしれません。