まだ味わうさ 噛み終えたガムの味
冷めきれないままの心で
出典: 馬と鹿:作詞/米津玄師 作曲/米津玄師
味がなくなってしまえば、吐き出してしまう人がほとんどではないでしょうか。
それでも口の中に含み続けている。
どれだけ味わおうとも飽きることのない、大切なものの象徴として描かれています。
ラグビーに限らず、何かに向かって頑張る人たちは、毎日地道な努力を続けていることでしょう。
諦めそうになったり、挫折をしてしまうこともあります。
いつしか違う道を歩み始めようとする人もいるかもしれません。
それでも主人公にとってラグビーは、ずっと続けていきたいと思える大切なものなのです。
たくさんの犠牲を払いながら
ひとつひとつなくした果てに
ようやく残ったもの
出典: 馬と鹿:作詞/米津玄師 作曲/米津玄師
主人公はラグビーを続けるために、たくさんの犠牲を払ってきたのでしょう。
貴重な時間やお金を注ぎ込み、友人からの遊びの誘いも断りながら。
そんな日々に迷いが生まれた日もあったかもしれません。
本当にこのままでいいのか。
別の道を選んだ方がいいのではないか。
そんな迷いを繰り返しながら、たくさんの犠牲を払いながら、ラグビーを続けることを主人公は選んだのです。
ラグビーにかける思い
“愛”以外の何物でもない
これが愛じゃなければなんと呼ぶのか
僕は知らなかった
呼べよ 花の名前をただ一つだけ
張り裂けるくらいに
鼻先が触れる 呼吸が止まる
痛みは消えないままでいい
出典: 馬と鹿:作詞/米津玄師 作曲/米津玄師
たくさんの犠牲を払いながらでも続けることを選んだラグビーの道。
その思いはもはや“愛”以外の何物でもありません。
喜びを味わうように、生きているということを確かめるように、グラウンドで身体をぶつけ合います。
もう自分にはラグビーしかない、そんな思いが溢れ出るかのようです。
桜という誇りを胸に
主人公が叫ぼうとしている花、それは「桜」です。
ワールドカップ中、ユニフォームに縫い付けられた桜のエンブレムに目がいった方も多いのではないでしょうか。
ラグビー日本代表(ラグビーにほんだいひょう)は、日本ラグビー協会が組織するラグビーユニオンのナショナルチーム。愛称は「ブレイブ・ブロッサムズ」(BRAVE BLOSSOMS)。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ラグビー日本代表
ユニフォームや愛称からも分かるように、日本代表の象徴として桜を掲げているのです。
寒い季節を耐え、満開の花を咲かせる桜。
夢を叶えるために、ひたむきに努力を続けていく選手達の姿とも重なります。
桜という誇りを胸にグラウンドで戦っていく。
主人公の決意が表現されています。
葛藤する心
疲れたその目で何を言う
傷跡隠して歩いた
そのくせ影をばら撒いた
気づいて欲しかった
出典: 馬と鹿:作詞/米津玄師 作曲/米津玄師
ひたむきに頑張る姿を描いていた1番とは対照的に、2番では弱気な姿が描かれています。
生きた証であるはずの傷も人目につかないようにし、まるでこれまでの人生を否定するかのようです。
印象的なのは3行目。
ここでの影とは「主人公が立ち上がった姿」を表現しているのではないでしょうか。
しかしプラスの意味ではありません。
どんなに辛くてもグラウンドには立ち続けなければならない。
その狭間で苦しんでいる姿を表現しているのです。
「今までよく頑張ってきたね」、そんな励ましの言葉を待っているのかもしれません。