Cocco「有終の美」MVで○○を披露?

「有終の美」MV+メイキング映像公開中

シンガーソングライターを始め多方面で活躍中のCoccoさん。

Coccoさんは歌手になる以前、本当はバレリーナを目指していたということを知っていますか?

ご紹介した動画2016年8月10日に公開された「有終の美」のMV+メイキング映像

この動画の中で、Coccoさんはバレエを披露しています。

星くずが散らばる夜空の下のようなセットをバックに歌う姿と、白いドレスを着て踊る姿が交互に映し出されるこちらのMV

Coccoさんの姿が力強く、そして美しく映し出されています。

昔は拒食症やリストカットに悩まされていたことを公表しているCoccoさん。

確かに華奢な体ですが、腕なんて筋肉美と言いますか、2001年の活動休止前よりも健康的になったのではないでしょうか。

さらにファンとして嬉しいのはCoccoさんの笑顔を見られる点!

「私は 大丈夫」という歌詞がいっそう引き立てられて聴こえます。

「有終の美」はCoccoが作詞!力強い歌詞を解説

<あなた>の死を受け入れられない

「有終の美」の作詞・作曲は、どちらもCoccoさん本人が担当しました。

その力強い歌詞が評判となっています。

果たしてどんな歌詞なのでしょうか?

もう少し
このまま見ていたいんだ
茜色 果てるまで

出典: 有終の美/作詞:Cocco 作曲:Cocco

<茜色>に染まっていく夕方の空

その色が夜の闇の中へ<果てる>まで<見ていたい>と思いながら、<私>の頭の中には、どんな考えが渦巻いているのでしょうか。

負けないように
震えないように
回らない車輪

無理に回しても
誰に返しても
どこへも行けない

出典: 有終の美/作詞:Cocco 作曲:Cocco

頭に渦巻いているのは、<回らない車輪>を持っている<私>のこと。

"車輪が回らない"という表現からは<私>が前に進むことができない様子を感じられます。

その様子とはつまり、無理に力を加えても、誰かに頼っても、生きることに積極的になれない姿

少し拡大して解釈するなら、脳内には自死という考えさえあったかもしれません。

それでも<負けないように 震えないように>と言っているのは"生"へ向かって奮い立たせる力が働いているから。

ここでは、何か"重大な出来事"のせいで立ち止まってしまった<私>の心情が表現されているのです。

あなたの声
聞きたくて
どこかに光る
見えない星
あなたの嘘
やさしい嘘
いつかは光り
輝く星に

出典: 有終の美/作詞:Cocco 作曲:Cocco

その"重大な出来事"とは<あなた>がもう、この世には居ないこと

失われた<あなた>の声を聞きたくて、<私>は夕陽が暮れた星空を見上げます。

たとえば<あなた>が<私>に「永遠に一緒に居よう」と伝えていたとしましょう。

その言葉は<あなた>が世を去ることで<嘘>となってしまいました。

それは<あなた>の<やさしい>気持ちから生まれた<嘘>

まだ受け入れられない<あなた>の不在と<嘘>。

それを、いつかは受け入れることができて、心の中で輝くといいな、と<私>は願っているのです。

<回らない車輪>が転がるとき

美しいものばっか
差し出してみんな消えた
お日様も 雨粒も

出典: 有終の美/作詞:Cocco 作曲:Cocco

美しい思い出とか、言葉とか、笑顔とか生きざまとか……。

思えば<私>の元を去って行った人は、みんな、こんな<美しいもの>を残して行きました。

それはまるでキラキラした一筋の日差しや、1滴の雨粒と同じような美しさで。

枯れないように
途切れないように
忘れた頃

転がり出すだろう
時はゆくのだろう
止められやしない

出典: 有終の美/作詞:Cocco 作曲:Cocco

曲を聴いていると、この部分だけビートが細かく刻まれるのにお気づきですか?

それはまるで心臓の鼓動のようです。

自分の命を枯らさないように、途切れさせないように何とか生きて、そして思い出を少しだけ忘れてしまったとき

そのときに<回らない車輪>が<転がり出>し、止まっていた<私>の<時間>が動き出すのを感じます。

一度動き始めたら自分の意識だけでは止められない心臓の鼓動のように、流れる時間も止めることはできません