どんなに こんなに 想っても
everyday everynight 考えても
どんな 涙流しても
抜け出せないの lonely girl

出典: ディア ロンリーガール/作詞:Miliyah,Takashi Matsumoto 作曲:Miliyah,Kyohei Tsutsumi

彼女たちは何も知らないフリをしていました。

真実からあえて目を逸らしてしか生きることができない人たちは今もそこに存在します。

このサビ前の涙を流すくだりはダブルミーニングになっています。

孤独に耐え切れずに涙を流す少女たち

そして彼女たちを苦悩から救いたいのに救えないと思い涙を流す加藤ミリヤです。

寂しい、孤独はイヤ、涙が止まらない...

加藤ミリヤ【ディア ロンリーガール】歌詞解説!ひとりが好きなだけ…そんなあなたに聴いてほしい!の画像

ロンリーガール 寂しいんじゃないよ
ロンリーガール ひとりが好きなだけ
ロンリーガール 泣いてるんじゃないよ
ロンリーガール 風がまぶしいだけ

出典: ディア ロンリーガール/作詞:Miliyah,Takashi Matsumoto 作曲:Miliyah,Kyohei Tsutsumi

『ディア ロンリーガール』のサビはECDの書いたオリジナルの歌詞をそのまま踏襲しています。

しかし当事者である加藤ミリヤが歌うことでそこには大きな隔たりが生じるのです。

涙を流す少女たちを俯瞰してみつめていたECDとK DUB SHINE。

加藤ミリヤは涙を隠す少女としてどんな気持ちでこのサビを歌ったのでしょう?

ここで「孤独な少女」の後に続く歌詞はすべて反語になっています。

寂しくて、孤独が嫌で、涙が止まらない...

あなたは1人じゃない

さぁ そろそろ行こうか
要らない荷物は捨てて
ロンリーガール 大丈夫だから
手を貸そう 未知なる道へ。。。

出典: ディア ロンリーガール/作詞:Miliyah,Takashi Matsumoto 作曲:Miliyah,Kyohei Tsutsumi

しかし加藤ミリヤは「ロンリーガール」たる当事者ながら他者である少女たちに語りかけたのです。

あなたは1人じゃない。

私が決して孤独にはさせやしない。

「つらい時代だけど一緒に強く生きていこうよ」と。

大人になった少女は今...

貴女たちの時代を強く生き抜いて

加藤ミリヤ【ディア ロンリーガール】歌詞解説!ひとりが好きなだけ…そんなあなたに聴いてほしい!の画像

東京 渋谷 眠らない街 みんな一人きり
幸福への道 迷える子羊 甘くない人生
自分の価値探して今でも
愛、夢、欲しい欲張りでも
生きて、生きて、生きる人生を
飛び立って「うちらの時代」を

出典: 新約ディアロンリーガール feat.ECD/作詞:Marvin Gaye,David Ritz,Odell Elliot Brown Jr.,Takashi Matsumoto,Kyohei Tsutsumi,MILIYAH 作曲:Marvin Gaye,David Ritz,Odell Elliot Brown Jr.,Takashi Matsumoto,Kyohei Tsutsumi,MILIYAH

『新約ディアロンリーガール feat.ECD』での舞台も渋谷です。

しかし加藤ミリヤが『ディア ロンリーガール』で歌った街とは今や別世界になっています。

悩める非行少女の記号的存在価値を見出していたガングロやルーズソックス。

それらの目立った信号を発することなく、少女たちは静かに悩みを抱え続けるのです

ただでさえ不透明な未来を背負わされた少女たちに加藤ミリヤはこう伝えます。

「今は貴女たちの時代、だから貴女が思うように強く生きて」

かつて「ロンリーガール」の同胞として接していた彼女は大人になりました。

彼女たちに対する責任を伴う大人になったとき加藤ミリヤは思ったのでしょう。

彼女たちのロールモデルとなるような強い大人になろう

現代の「ロンリーガール」との連帯

加藤ミリヤ【ディア ロンリーガール】歌詞解説!ひとりが好きなだけ…そんなあなたに聴いてほしい!の画像

"みんないなくなれ 全部壊して"
尖ったナイフをかざして
強がるあたしがまだ叫んでる あの頃みたく苦く
今も悔しさ力に変える 中指立て睨む 空高く
マジな話 早く立ち上がれ
これちょっとシリアスだけど盛り上がれ

出典: 新約ディアロンリーガール feat.ECD/作詞:Marvin Gaye,David Ritz,Odell Elliot Brown Jr.,Takashi Matsumoto,Kyohei Tsutsumi,MILIYAH 作曲:Marvin Gaye,David Ritz,Odell Elliot Brown Jr.,Takashi Matsumoto,Kyohei Tsutsumi,MILIYAH

自分はかつての無責任な大人にはならない。

そう決意した彼女は「ロンリーガール」の破壊衝動を代弁するのです。

加藤ミリヤは天に向かって中指を突き立てます

そこにあるのは現代の「ロンリーガール」との連帯感です。

このパートの最後の2行はECDのオリジナルのフレーズを忠実に引用しています。

1997年に当事者ではなくとも「ロンリーガール」と連帯し闘争を誓ったECD。

2017年、今度は加藤ミリヤがその意志を受け継いだのです。

世代を超え受け継がれる加藤ミリヤの生き様