幸か不幸か 仕組まれてるって 気づいたんだ
聞き分け良い子が誰にとって 都合がいいのか
飼い慣らされていた麒麟が 高い柵を飛び越えた
出典: 麒麟の子/作詞:EARSY 作曲:KOUDAI IWATSUBO,Kuwagata Fukino
大勢の人たちがいる場所には規則やルールが必要です。
求められるのは、言われたことをそのまま受け入れて相手の思い通りに動くことができる子。
でも必要以上に押さえつける「仕組み」があることを知ってしまったのでしょう。
誰のための規則やルールなのかを知らなければ幸せだった?知ったことが不幸なの…。
言うことを聞くことに慣れてしまった「麒麟」は逆らうことなく列に並んでいる「良い子」を指しています。
優等生を演じてきたけれど、列の中にいても自分は自分であることに気が付いてしまいました。
「高い柵」は管理する側の主観で決められた規則やルール。
超えればどんな世界が待っているのでしょうか。
列から飛び出せば…
Wonder Child! 限りない草原を
知らないままの僕らは
こんなにも 汚れきった世の中を
有り難そうに生きてる
黄金の たてがみをなびかせた
勇気ある はみ出し者よ
こんなにも 虚しい時代でこそ
魂の限り叫べ We’re Wonder Child!
出典: 麒麟の子/作詞:EARSY 作曲:KOUDAI IWATSUBO,Kuwagata Fukino
勝手に決められたことで守られる「汚れた」世界を疑いもしないで生きている。
もっと広い世界があることを知るのは規則を破ることにもなるのでしょう。
その閉じた世界に登場したのは「何かを成し遂げる才能を持ったもの」。
和訳では「麒麟児」と表すこともできます。
金色に輝く「たてがみ」は他の人とは違う髪の毛の色を想像させますね。
人と違う部分があるだけで押されてしまう仲間では無いという烙印。
でもつまらないこだわりに反発をするのは自らの信念で列から飛び出した「はみ出し者」です。
そしてもう独りではありません。
変えられなかったことに仲間で立ち向かう、それを「We're」が表しています。
見回せば独りだけど…
人とは違う見た目になった者は信念を曲げずに群れから離れたのです。
仲間も一緒のはずでした。でもそこで思い知らされたことは…。
「同じ」なら安心できるから
やっとわかったのね 逆らうほど
孤独になる 誰も君の
味方になんて なりはしないのよ
異端児なんて いらないの
出典: 麒麟の子/作詞:EARSY 作曲:KOUDAI IWATSUBO,Kuwagata Fukino
つまらないこだわりや納得がいかない正義に立ち向かう。
仲間も一緒と思って反発をしたのでしょう。
でも気が付けば言うことを聞かないのは自分だけ。
皆は同じ格好で同じ考えで同じ場所に固まったままだったのです。
誰一人自分と一緒に大きな壁を壊そうとは思っていません。
校則や規則が優先される世界で正しいことから外れる「異端児」は褒め言葉にはならないのでしょう。
それでも閉ざされた世界を変えるパワーは失っていません。
意志を持つ目に見えるもの
右向け右で 左を向いて 確かめてんだ
みんなに見えてることだけが 真実じゃない
飼い慣らしたはずの麒麟は 鎖ひきちぎりこう言った
出典: 麒麟の子/作詞:EARSY 作曲:KOUDAI IWATSUBO,Kuwagata Fukino
右を向けと言われて素直に右を見ます。
でもその時反対側にあるものが気になって左を見てしまう。
これは団体行動として認められる動きではありません。
それでも「違うもの」を見るという意志と視点は重要です。
指示された方向を見るだけでは見えないものが沢山あります。
自分が見たいから向いた方向にあるのが「真実」なのでしょう。
押し付けられて片方を見るだけでは公平な判断もできません。
独りで反発をして「異端児」と呼ばれた「麒麟」。
今まで見せられていたものがすべてではないと気が付いたのです。
ついに大きく飛ぶことを決心したのでしょう。縛られていたすべての「鎖」から自分を解放します。
駆け回れ!金色の髪のまま
Wonder Child! 濁ったその瞳に
ひとつでも 救いがあれば
こんなにも 腐りきった世の中も
捨てたもんじゃないだろう
ついて来い たてがみを隠さずに
勇気ある はみ出し者よ
こんなにも 広い空の下で
お前はもう自由だWe’re Wonder Child!
出典: 麒麟の子/作詞:EARSY 作曲:KOUDAI IWATSUBO,Kuwagata Fukino
反発を止めない者の瞳には「濁り」があるようです。
人と同じじゃない見た目や常に忘れない反抗心は清く正しいとは反対にあるもの。
それでもそこにある「救い」とは何なのでしょうか。
同じように規則やルールで支配された世界を変えたいと思っている大人を指しているのでしょう。
その大人が投げかけた「ついて来い」は一緒に闘うことを約束してくれました。
金色の髪のままでいい、列からも群れからも抜けて駆け出せと。
無限大に広がる空は君のため、そこでは感情を抑えこむ必要も無いのです。