世界各国の文豪の名前を冠した異能力者たちの組織同士の激しい抗争を描く物語。
デビュー曲「名前を呼ぶよ」もこのアニメ「文豪ストレイドッグス」のエンディングテーマだったこともあり、ラックライフにとっては縁の深い作品でもあります。
作品を読んで楽曲を書き下ろすという彼らは、1期から2期への物語やキャラクターの心情の変化を歌詞に反映させていると言います。
2期では特に、主要キャラクターでもある太宰治が、かつて所属した非情な組織から離れていく心情にフォーカスしたストーリーに作られており、その物語を歌詞に生かしているそう。
つまり、この作品がなければ生まれなかった楽曲であると言えるでしょう。
歌詞
それでは歌詞を見ていきましょう。
抱きしめて離さずに 大事なモノと今 僕はここで息をしてる
君がくれた言葉は 今も僕の中の 片隅に置いてある
大事にしまっている いつも胸の中にある
出典: 風が吹く街/作詞:PON 作曲:PON
何度も思い出しては 心で繰り返してる その度力になる
出典: 風が吹く街/作詞:PON 作曲:PON
バンドを組んでから10年以上、ラックライフのメンバーは自分たちの力でコツコツとライブを続けてきました。
自分たちで機材車を回し、日本中を走り回り、歌い続けてきました。
もちろんお客さんが全く入らないこともあったでしょうし、収入面ではかなり厳しい日々も長かったでしょう。
そんな日々があったからこそ、今のラックライフがあるのです。
もちろんバンド活動が大変だったその間、たくさんの人々の支えがあったとメンバーは語ります。
しかし、時の流れとともに、もう会えなくなってしまったひとたちも確実にいるのです。
これは曲を聴くわたしたちにも言えることでしょう。
確たる理由がなくても、別れてしまうことはたくさんあります。
しかし別れてしまった相手からもらった大切な言葉や思い出は、別れを理由に消えることはありません。
そしてそんな言葉は、いつもわたしたちの力になってくれます。
風が吹くこの街で 生きてるよ僕らしく 君に胸張れるように
抱きしめて離さずに 大事なモノと今 僕はここで息をしてる
出典: 風が吹く街/作詞:PON 作曲:PON
「風」というのもこの曲の中の重要なキーワードのひとつ。
風と言えば、わたしたちの生活に常にあるもののひとつであり、また「流れ」を導くものです。
かつて別れてしまった大切なひとたちからもらった思い出や言葉を「風」にたとえ、常に自分の身近にあり、また自分を導き背中を押してくれるものとして表現しているように読めます。
何か変わる気がしてた 僕ら生きる世界 淡々と廻ってる
何も変わりやしない こんなにも違うのに
出典: 風が吹く街/作詞:PON 作曲:PON
音楽を続けていくうえで、とくにロックバンドは常に、何かに反抗することを大きな意義としています。
不条理な世の中や意味のない常識、差別、偏見など。
そんなものに抗う心こそ、ロックバンドがロックバンドたるゆえんと言っても過言ではありません。
もちろんラックライフも、この世界に対し大いなる疑問を持っていたのでしょう。
しかし同時に、音楽では何も変えられないという絶望も感じているのです。
世界は救えなくていい でも大事なモノだけ ちゃんと握り締めてる
あれからどれくらい 僕ら進めたのかな ふと思い出すのさ
確かにあの時 共に生きた日々の 未来がここにあるよ
出典: 風が吹く街/作詞:PON 作曲:PON
世界の全てを救おうなんて、無理かもしれない。
だけどせめて、自分にとって大事なものは曲げずに歌い続けたい。
そんな変わらない信念を、彼らはかつての思い出とともに持ち直すのです。
君がくれた言葉は 今も僕の中の 片隅に置いてある
大事にしまっている いつも胸の中にある
出典: 風が吹く街/作詞:PON 作曲:PON
あなたにとっての「君がくれた言葉」はなんでしょうか?
10年以上、変わらず目指し続ける夢や信念はあるでしょうか?
そんな、眩しいほどのまっすぐさに胸が打たれる1曲です。
終わりに
いかがでしたか?
ライブバンド、と言われるバンドは数多くありますが、これだけ長く、自分たちの力でライブ活動を続けてきたバンドはそう多くないでしょう。
だからこそライブがカッコいいんですね…。
ではまた次回!
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