だけど 好きなんだ いいだろ
こんなにも 愛しているよ

出典: And I Love Car/作詞:奥田民生 作曲:奥田民生

自分は車を単なる「道具」として使っているわけではない。

それ以上に「好き」という気持ちを抱いているのだ。

サビではそんな思いが歌い上げられます。

愛していなければ…

そんな思いは、車を「道具」としか見ていない人には、理解しがたいものかもしれません。

車は運転できれば長距離の移動もできるし、荷物も運べる便利なもの。

とはいえ、それ以上の価値を見出せないとしたら。

「愛している」とまで言う価値観には疑問が浮かぶかもしれません。

それでも、自分は

そんな、自分とは違う価値観を持つ人がいるということ。

例えば冒頭に描かれている、自分の「車への愛」に反するような言葉を言うような人もいること。

それをわかっているからこそ、最初にそんな歌詞を入れたのかもしれません。

確かに、そういう価値観が存在することもわかる。

「だけど」、自分は車が好きなんだ。

そんな思いをさりげなく、しかしはっきりと印象づけるために。

愛を注ぐ理由

なぜ、そんなにも

さて、それだけ車への愛が語られるこの曲。

しかし、どうしてそんなにも車が好きなのか。

それは具体的にはほとんど語られていません

ただただ「好き」を

だから何ででも いいだろ
こんなにも マイっているよ

出典: And I Love Car/作詞:奥田民生 作曲:奥田民生

対象の素晴らしさやどこが好きなのかを事細かに語る。

それを愛しているわけではない人にも伝わるように。

理解を得るためには、それも一つの方法かもしれません。

しかしここでは、その手法は全くとられないのです。

そればかりか、理由なんてなんだっていいだろ、と一蹴し、ただ「好き」だという気持ちだけを語る

それはどうしてなのでしょう。

そして、なぜ彼は車をこんなに好きでいるのでしょう。

「Her」と「Car」

タイトルの元は

その理由に迫る前に、今一度タイトルを見てみましょう。

「And I Love Car」という一文に、既視感を覚えませんか。

そう、これはビートルズの「And I Love Her」のオマージュなのです。

彼女が好きなんだ