人は皆 幻想を語り 叶わぬ夢と置き去りにするけれど
僕は抱きしめていこう 馬鹿げた衝動が未来を照らすと 信じながら
小さな頃クレヨンで描いていた果てしなく空想のような世界も
今の僕を形成り上げている大事な一欠片だって
そう自信を持って言えるよ
出典: http://j-lyric.net/artist/a001fed/l02d41c.html
地方の一都市から東京へ出ようとするのは、とてつもないエネルギーが要るものです。今まで外の世界を知らず、田舎での生活がすべてだったのならなおさらです。
その第一関門を突破して、幼い頃から夢描いたものへと突き進んでしまいましたが、後になって思うとその行動に間違いはなかった、と主人公は自分の信念に自信を持っていますね。
可能性を信じて旅に出る
“可能性”っていうものはずっと無限だとは思わない
駆け出すそのスピードに広がるイメージを
そしてまたスピードを
上げていく
出典: http://j-lyric.net/artist/a001fed/l02d41c.html
何か成し遂げたいことがあっても、それを実現できる可能性は無限ではありません。そのうちに限界もやってくるでしょう。
しかし、そんなことはお構いなく、今日もエネルギー全開で突き進む主人公が描かれます。
自分には突き抜けてしまえるほどのエネルギーがあるのに、それをセーブされていると感じていたのが、主人公が住んでいた田舎なのでしょう。
田舎は都会と比べると、どうしてもいろいろな制約もあります。だからこそ、時には大きな決断として、生まれ故郷を出て大都会にくり出す、という決断も必要なのかもしれませんね。
自分の居場所はここではない
スカーレットの電車は僕を運ぶ ためらわずまだ知らない場所へと
雨の止んだ生まれた街にそっと「さよなら」つぶやいて
次第に遠ざかって見えなくなった
東京は今頃青空が広がっているだろう
出典: http://j-lyric.net/artist/a001fed/l02d41c.html
可能性が詰まっている大都会、東京へ行くには、まずスカーレット色の電車に乗らないと行けません。
その地方に住む人には見慣れた電車ですが、この電車こそが東京へとつながっている、東京への入り口なのです。
まずこの電車に乗らなければ、東京はおろかこの街からも出られない。都会を知らず、地方の一都市しか知らない無垢な若者にとっては重要な一歩ですね。
主人公はまだ見ぬ東京の空を思いながら、自分を育ててくれたこの街に丁寧に別れを告げます。そして、期待も不安も入り交じった気持ちを抱えて、可能性が満ち溢れた東京へと旅立っていきます。
「スカーレット」の歌詞から見えたこと
「スカーレット」には、東京へと出てくるときのスキマスイッチの二人の気持ちが赤裸々に描かれています。ある意味で泥臭く、格好のつかない心情も描かれています。
スキマスイッチはこの曲を、デビュー10周年を迎えて安定した人気を誇る「今だから書けた」と言いました。
中京圏から上京し、右も左もわからない中で、バイトの合間に数々のオーディションを受け、売れるまでは相当な貧乏を経験したといいます。
「スキマスイッチ」というバンド名は、彼らが売れる前に住んでいた、窓やふすまにスキマのある家と、電灯にひもをつけたスイッチを意味しています。
まさにこの曲は、スカーレット色の電車に乗って状況してきて、売れるまでの苦労を重ね、栄光をつかみ取ったスキマスイッチの二人をリアルに描いた曲なのです。