しかしながら、2020年12月の時点で我慢の日々が笑い話になる日が来る気配は一向にありません。
好きな時に好きな人と会えることが、これまでは当たり前だった人も多い筈です。
ところが今ではそうではなくなってしまいました。
この当たり前が実は当たり前などではなく、とても幸せなことだったのです。
そのことに気付いた人もいるのではないでしょうか。
しかもいつ今までのような状況に戻れるのか全く分かりません。
あれをしたい、あそこに行きたいと思っていても、その計画は全て泡のように消えてしまいます。
それどころか計画自体も立てられず、ただ漫然と日々が過ぎていくだけです。
何もできない・どこも行けないとなるとどんどんネガティブになってしまうでしょう。
だから3行目のようになってしまいます。
だからといってすべてを否定し不貞腐れるのも精神衛生上良くありません。
これまでの「当たり前」が当たり前ではなくなった「今」は、その幸せに感謝できる機会でもあります。
幸せを掴みとるのは簡単なことではありません。我慢して努力しないと掴みとれないものです。
誰にも会えない「今」は、その幸せを掴めるかどうかの努力の期間なのではないでしょうか。
幸せのために友達も好きな人も頑張っていると思えば、自分も負けていられないと前向きになれるでしょう。
なくなっていく明るさ
自由に人と会えないとなると、やはり恋愛にも大きな影響を及ぼします。
メールや電話といったことはできますが、やはり実際に会った方が嬉しいものです。
それができなくなってしまい、好きな人に会えない辛い日々を送っている人もいるでしょう。
そんな時はどうすれば良いのでしょうか。
擦り切れていく想い
出会ってしまった 出会うべくして
あえて言うまでも無く別次元
エブリデイ エブリナイ 離れずにいたい
選択肢がない YES 以外
そんな気持ちが満ち満ちてた
はずがいつの間にか日に日に減った
(また) 深いため息 二人だけ君と俺の
間だけ塞いだって無意味
出典: Fall in Love Again feat. 三浦大知/作詞: KREVA・三浦大知 作曲: KREVA・三浦大知
運命の出会いを経て、付き合うことになれば当然離れたくないものです。
恋に夢中になれば毎日だって会いたいと思いますし、これからずっと一緒にいる未来しか見えません。
しかしそんな2人だけの世界に水を差すようなことが起こってしまいました。
恋愛の心理として、あまりにも長い期間直接会わないと想いが冷めてしまうことがあります。
ずっと家にこもっていて、あんなに燃え上がっていた恋の炎がだんだん弱まってきてしまっているのでしょう。
そもそもただでさえ自由に会えないので、欲求不満で溜息も出がちです。
とはいっても、完全に想いが冷めきってしまうわけでもありません。
完全に投げやりになってしまう前に、こんな状況だからできることを考えてみましょう。
見方を変えよう
新しい距離感 補い合いたい価値観の違いを理解した
何年越しだって 画面越しだって 断然盛り上げる
やめ時なんてないぜ
俺ら息が合う 気が合う 肌が合う
だから歩き続け見つける生き方
違う世界観 まだまだ生み出せる
言わせたいんだ また ただただあなたが好きだって
出典: Fall in Love Again feat. 三浦大知/作詞: KREVA・三浦大知 作曲: KREVA・三浦大知
2020年のコロナ禍では、「ソーシャルディスタンス」という言葉が流行しました。
これにより人と人との距離感は確実に広くなったといえます。
しかし、その感覚は人によって違うのではないでしょうか。
感染症に対する価値観の違いが浮き彫りになって、人間関係に亀裂が入るケースも実際問題になりました。
1行目はそのことを述べているのでしょう。
完全に同じ価値観の人はいません。だからこそお互いフォローし合えるところを発見できることもあります。
また2行目はリモートのことでしょうか。
パソコンを通してデートしたり、飲み会したりすることも2020年で流行りました。
今までとは全く違うことばかりですが、なんとか工夫して繋がりを保とうとする姿が描かれています。
今直接会えなくても、この関係を続けていきたいという意志があることは間違いありません。
未来に向かって歩き出そう
あの日にはもどらないよ
新しい二人を
何度でも
さぁ今ここから
Fall in Love Again
愛を確かめ合って
Oh
Fall in Love Again
出典: Fall in Love Again feat. 三浦大知/作詞: KREVA・三浦大知 作曲: KREVA・三浦大知
家や居酒屋などに集まって皆で盛り上がった楽しい思い出を、辛い生活の中でついつい思い出してしまいます。
しかし過去が戻ってくることはありません。
そして、これまでのような生活に本当に戻れる保証もないのです。
過去を大事にするのも良いですが、新しい生活の中でどう付き合っていくのかを考えるのも重要でしょう。
辛い時を乗り越えれば、2人の絆はますます強くなっている筈です。
ファンや仲間に向けたKREVAからのメッセージ
「Fall in Love Again feat. 三浦大知」は一見ラブソングですが、決してそれだけではありません。
恋をしている人もそうでない人も、聴く人全員を対象にしたメッセージが込められています。
それこそが「いつかまた皆で会おう」ということなのです。
多くの人々が我慢を強いられ、苦しい思いをした2020年にKREVAが最も伝えたいことだったと考えられます。
歌詞もよく読んでみると、相手が恋人ではなく友達にしても当てはまる内容です。
恋人でも友達でも、それらとは違う家族や親せきでも会いたい思う人はいるでしょう。
しかし「あの頃は自由で良かったな」で終わるのではなく、今後をどう生きていくかについて問うています。
これからを考えることが、未来に希望を見いだす一歩になるのではないでしょうか。
「死んじゃダメ」に込められた思い
歌詞中に突然登場する「死んじゃダメ」という歌詞はかなり印象的です。
これはKREVAの実際の体験に基づいているといいます。
KREVAの事務所の社長はよく冗談めかして「死ぬのはナシ」と言っていたことが元だったようです。
2020年に起こったパンデミックにより、KREVAはその発言が尚更強く実感を持って噛みしめたといいます。
仕事も失くなって収入も安定せず生活に苦労した人が大量に出た年です。
特にアーティストのような人が集まることを頼りにする仕事はその影響も大きかったことでしょう。
全てを投げ出してしまい、越えてはならない一線を押しとどめる言葉です。
聴く人には勿論、歌うKREVA自身に言い聞かせているようにも解釈できます。