このカップルが別れた原因については詳しく描かれていません。
ただ、いえることは「どちらか片方のせいで別れたようではなさそう」ということだけです。
きっと二人ともそれぞれ反省すべき点や失敗してしまった部分があったのでしょう。
そして二人の恋の終わりを「金属疲労」に例えているのも面白いですね。
金属疲労とは名前の通り、"金属に溜まった疲労"のことです。
硬くて丈夫なイメージのある金属ですが、実は使い続けることによって小さな亀裂が発生し壊れることがあります。
きっとこの二人も、初めは金属のように硬くて丈夫な絆で結ばれていたのでしょう。
でも、あらゆる疲労(=ストレス)を同棲生活の中で感じたのではないかと推測できます。
その結果、二人の絆は壊れてしまったのでした。
恋は変化していくもの
(※)そこにあった君のベッドの形に
ジュータンが陽に灼けていた
あの頃と何も変わらないものなんて
僕たちにはあるだろうか?
(さよならだ)
部屋の合鍵 返さなくていい
出典: 302号室/作詞:秋元康 作曲:小田切大
一人残される部屋に敷いてあるジュータン。
そのジュータンには、恋人が使っていたベッドの跡がくっきりと残っていました。
どんなに変化のなさそうなものでも、長い時間が経てば良くも悪くも変化していくのです。
それはきっと恋愛も同じなのではないでしょうか。
二人の気持ちや環境次第でどんどん変化していくものです。
「部屋の合鍵 返さなくていい」という歌詞も切ないですね!
合鍵を返してしまったら、恋人はこの部屋に戻ってこられなくなります。
それに、本当に大嫌いな相手であればこのような言葉はいいません。
きっとこの歌詞の主人公には少なからず未練があるからこのように伝えているのでしょう。
まるで「合鍵を使って戻ってきてもいいんだよ」といっているようにも聞こえますね。
風船ガムを膨らませている恋人を見て、主人公が感じたこととは?
風船ガム 膨らませて割れてしまうまで
退屈そうだったけど
君も色々と考えてたかもしれない
出典: 302号室/作詞:秋元康 作曲:小田切大
ここの歌詞では、別れる前の二人を描いているように感じられます。
風船ガムを膨らませて割っていた恋人。
その光景を見た歌詞の主人公は「何だか退屈そうにしているなぁ」くらいにしか受け止めていませんでした。
でも、もしかしたら恋人の方は、この時からすでに別れることも含めて色々考えていたのかもしれません。
本音を言えなかった恋人
だってホントは強がり言って
涙 堪えてたんだろう
やっぱり嘘だよなんて
お互いに言えないし…
出典: 302号室/作詞:秋元康 作曲:小田切大
ここの歌詞では、本音を言うことが出来なかった恋人について描かれています。
強がりばかり言っていた恋人でしたが、心の奥では悲しい気持ちになっていたのでしょう。
「ごめん、さっき言ってた強がりは全部噓なんだ」と本音を話していたら、二人の関係は改善したのかもしれません。
しかし、そうすることができずに結局二人は別れを選んでしまったのです。
引っ越しが終わって主人公が感じたこと
部屋が急に広く思えてしまった
失ったものに気づかされる
日常はいつも当たり前に過ぎ去り
愛という夢に自惚れる
(幻だ)
君の合鍵 どこかに捨てて
出典: 302号室/作詞:秋元康 作曲:小田切大
二人が暮らしていた部屋の中には、恋人の物もたくさん置いてあったのでしょう。
引っ越しを終えて、恋人の物が一切なくなってしまった部屋を広く感じ、主人公は切ない気持ちに飲まれています。
いつも目にしていた恋人の物。
部屋の中に置いてあった時は大したことないように思っていたのかもしれません。
しかし、それがなくなる事によって大きな喪失感を覚えたのでしょう。
そして、恋人の存在の大きさに気づいたのではないかと推測できます。
1番のサビでは合鍵を返さなくていいと伝えていた主人公。
しかし、2番のサビでは「どこかに捨てて」という言葉に変わっています。
引っ越しが終わって「もう恋人が戻ってくることはない」と強く実感したのでしょうか。
だから、このような言葉に変化したのかもしれません。
それでも恋人に対して未練がある
もし君がこの部屋に(この部屋に)
来たくなったら
どんな時もドアが開くように
鍵なんかかけない
(※くりかえし)
出典: 302号室/作詞:秋元康 作曲:小田切大
それでもやっぱり恋人に対する未練を捨てきれないのでしょう。
「恋人が戻ってきたら迎え入れたい」という主人公の気持ちを読み取ることができます。
鍵をかけない状態のままでいるって防犯上どうなの?とも思ったりしますが、それだけ恋人との別れを悔んでいるのです。