また、「私のために 誰かのために」には、「一人じゃないんだ 必ず誰かいる」という歌詞が登場します。
この歌詞は、当たり前のようで当たり前には感じにくいことをストレートに表現した見事な歌詞となっていますよね。
物事が順調に進んでいたり、楽しいことが続いていたりすると、なかなか周囲の温かみに気づかないこともあるでしょう。
しかし、何か困難にぶち当たったり、上手くいかないことが続いたりした時には、この「一人じゃないんだ 必ず誰かいる」というフレーズが胸に染み込んでいきます。
そういった、聞く人の心を打つ歌詞構成となっているのも、この「私のために 誰かのために」の魅力と言えるでしょう!
辛かったり悲しかったりすると、自分は孤独だと感じてしまうもの。
負の感情に溺れてしまい、周囲が見えなくなってしまうからでしょう。
しかし実際には、周囲には自分のことを気にかけてくれる人が必ずいます。
主人公が他者に幸せを届けたいと思うのも、そんな気にかけてくれる人々への恩返しの気持ちがあるからでしょう。
お互いが支え合うことができれば、どんな困難も乗り越えていける。
主人公はそう感じているから、幸せの輪を広げたいと思っているのです。
楽曲に込められた想いとは
歌を届けるということ
名も知らない 顔も知らない
会ったことない誰かのために
みんなが歌い続ければ
誰もがきっとやさしくなれる
出典: 私のために 誰かのために/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
主人公にとって、歌を歌うということは遠くの誰かに想いを届ける手段なのでしょう。
これは、この歌を歌う彼女たち自身ともシンクロする表現です。
当然ながら、彼女たちからは数え切れないほどいるファンを全員把握できていない。
けれど彼女たちが歌う先には、確かにその想いを受け取る人たちがいるのです。
そしてそれによって、多くの人が元気をもらっています。
そしてそのファンの存在が彼女たちの頑張りの原動力にもなっていることでしょう。
そしてその優しさというのは、受け取った人がまた自分の周囲の人に届けられるものである。
優しさはそうして数珠繋ぎに続いていくものだと私たちに伝えたいのでしょう。
彼女たちにとって、アイドルという職業は誰かに優しさを届けるためのものかもしれません。
普段誰かのために歌う彼女たちだからこそ、楽曲に込められた想いを多くの人の心に響かせられるのではないでしょうか。
作曲は杉山勝彦さん
「私のために 誰かのために」は、作曲を杉山勝彦さんが務めました。
杉山勝彦さんと言えば、乃木坂46の数々の名曲を生み出してきた、まさに乃木坂46の成長には欠かせない存在の作曲家といえます。
また、杉山勝彦さんと共に編曲を務めたのが、有木竜郎さんという方です。
実はこのお二人、2013年3月13日にリリースされた5thシングル「君の名は希望」でも編曲を務めており、大ヒット曲を生み出したコンビだったんです。
そんなお二人が楽曲に関わったこともあって、「私のために 誰かのために」もファンに語り継がれる名曲となっていきました。
カップリングのユニット曲ということもあり、表題曲よりも目立ちにくいことは間違いありません。
しかしだからといって、制作する人々は手を抜いている訳ではありません。
そのような楽曲であっても、制作する人々は変わらず全力で楽曲を作っているのです。
その想いというのは確かにリスナーに届いています。
だからこそ、この楽曲が「隠れた名曲」としてファンから支持されているのでしょう。
「私のために 誰かのために」の歌割り
「私のために 誰かのために」は、歌詞にも注目が集まる素敵な楽曲でしたが、5人のメンバーの歌割りにも注目が集まる作品でしたね。
どういった組み合わせで歌割りが組まれたのか、一緒に見ていきましょう。
バランスの取れた歌割り
一人じゃないんだ
必ず 誰かいる
同じように傷つき孤独を感じて・・・
あなたに似た人
ここにもいるんだよ
世界を思い出そう
出典: 私のために 誰かのために/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
「私のために 誰かのために」は、サビの部分は全員で歌いますが、それ以外の歌詞はバランスの取れた歌割りとなっているのが印象的な楽曲です。
例えば「一人じゃないんだ」は全員で歌います。
そして「必ず 誰かいる」の部分を桜井さんと高山さんへ。
「同じように傷つき孤独を感じて…」の部分を衛藤さんと川村さんが歌います。
そして、「あなたに似た人 ここにもいるんだよ」を白石さん、桜井さん、高山さん、「世界を思い出そう」を衛藤さん、川村さんという構成になっています。
歌詞とそのイメージに合うメンバーを割り振った見事な歌割りになっていますね!
ユニット曲というのは、それぞれの歌声が聴き分けやすいのも魅力の1つですよね。
選抜曲などだとどうしても少人数で歌う場面などは少なくなってしまいます。
しかしながら、この楽曲では人数が少ないため、1人のメンバーの歌声をじっくり堪能できるのです。
特にこの楽曲では歌唱力に定評のあるメンバーが選ばれているため、1人1人の歌の上手さをいつもより実感できることでしょう。
楽曲に合わせて歌に想いを込められるメンバーがこのユニットに選ばれたのだと考えられます。
おわりに
乃木坂46のメンバー5人による「私のために 誰かのために」の魅力に触れてきましたが、いかがでしたでしょうか。
歌唱力選抜とも呼ばれる5人の魅力的な歌声が、いつまでも耳に残るとても素敵な楽曲ですよね。
これからも5人のメンバーと、乃木坂46の活躍を温かく見守っていきましょう。
記事の最後に、OTOKAKEに掲載中のおすすめの記事をご紹介します。
今回ご紹介した乃木坂46には、他にも素敵な楽曲が沢山あるのです。
ここではそんな彼女たちの楽曲の中から、歌詞が心に染みる楽曲について解説した記事をおすすめします。
今回選んだのは「君の名は希望」と「きっかけ」です。
どちらもファンの間で名曲と呼ばれている楽曲。
この機会に是非、以下の記事も見てみてくださいね。
『君の名は希望』の歌詞が切ない!乃木坂46のMVにも注目の人気の名曲! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
「君の名は希望」は、「乃木坂46」のシングル第5作目の楽曲です。「乃木坂46」の上品さ、透明感のある楽曲で、歌詞が切ないと評価を受けています。また、衣装が、清楚でそれでいてさわやかだと評され今も高い評価を受け続けています。「乃木坂46の代表曲」とも称された「君の名は希望」の歌詞をひも解きたいと思います。