UVERworldの6thアルバム『LIFE 6 SENSE』

メンバーと6枚目のアルバム

UVERworld【一億分の一の小説】歌詞を独自解釈!誰もが紡ぐ「小説」…重なる物語の意味に感動の画像

UVERworldは2005年に『D-tecnoLife』でメジャーデビュー。

ほとんどの作詞・作曲を手がけるボーカルのTAKUYA∞。

中学時代、音楽活動に魅了され、バンドを組み、インディー時代を経てメジャーデビューを果たしました。

オリジナルアルバムは1stの『Timeless』をはじめとし、これまでに全9枚リリースしています。

ベストアルバムは2009年と2018年にリリース。

2011年6月1日にリリースされた6枚目のアルバムは『LIFE 6 SENSE』です。

これは、メジャーデビュー6年目の年にちなんで「6」という数字をタイトルに付けたという経緯があります。

このアルバムには、今回ご紹介する楽曲『一億分の一の小説』が収録されています。

『一億分の一の小説』について

震災後に書かれた楽曲

楽曲『一億分の一の小説』はボーカルのTAKUYA∞が手がけました。

この歌詞はファンから貰った小説にインスパイアされ、東北地方太平洋沖地震発生後に書かれたもの。

何度もアレンジを変え、オリジナルの楽曲から大きく変化したサウンドになったと言われています。

歌詞の内容ですが、当時、TAKUYA∞が小説を読んでいた頃のある出来事が元になっています。

このアルバムに収録されている『白昼夢』も東北地方太平洋沖地震発生後に書かれた歌詞です。

この曲には「困難な出来事に立ち向かっていけるように」という強い思いが込められています。

大震災の影響もあり、ストレートなメッセージや思いが込められた曲が多く収録されています。

歌詞を独自解説

楽曲『一億分の一の小説』

楽曲『一億分の一の小説』は前述したとおりファンから貰った小説を元に歌詞を書き下ろした曲です。

ボーカル・TAKUYA∞の歌詞を読んでいくと言葉の端々に込められた思いが多くの人の心に響き渡ります。

彼が読んでいた小説はどんな内容だったのだろうか。

ページをめくるたび心が締め付けられるような思いを抱えながら最後のページに辿り着いたのだろうか。

そして、小説を実写化したかのように目の前に迫り来る現実をどう受け止めたのだろうか。

震災後に書かれた本楽曲。

そのため、誰かに宛てたラブソングというよりも多くの人に向けた人間愛を表現しているように感じ取れます。

一億分の一の小説/UVERworld

それでは今回取り上げた楽曲『一億分の一の小説』の歌詞を詳しくみていきましょう。

君に貰った小説の最後のページに
願いを込めて ほら近づくよ

今立つ現状そのものが
読んでいた小説と内容がタイムリーに重なってくよ
騒然とする街を出て 忘却の果 意味のない
沈黙を選択し 厚いカーテンを閉めた

出典: 一億分の一の小説/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞

ページをめくるたび、現在自分が置かれている状況と小説の内容が重なりあっていく様子が見て取れます。

すると突然、街は騒然とします。

多くの人たちの叫び声が響きわたり、群衆はパニックに陥りました。

そして何もかも一瞬にして崩れ去った町並み。

ただただショックで言葉を失い、呆然と立ち竦むことしか出来ない自分。

そして、心のカーテンを閉ざしてしまったのでしょう。

着火 booming ready go
premiereのhope
try pray
紡ぎ出した 一億からのメッセージ

出典: 一億分の一の小説/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞

1行目の歌詞は、東北地方太平洋沖地震が発生したときの様子なのでしょう。

ここでは震災のことを比喩的にpremiere(プレミア、封切り)と例えています。

hopeやtry prayという歌詞。

これは震災で失った大切な家族や友人、消息が分からない人たちへの希望と祈りが込められています。

日本国民(1億強の人口)一人一人が、この震災で家族や大事なものを失って心が傷つきました。

そのため、被災した人たちへのエールを送っているのでしょう。

この暗い部屋に太陽の光が欲しくて
君の似顔絵を書いてみたんだ 似てるだろ?
また会えるよな? また会えるよな?
次は君が僕の絵を描いてくれよな 追憶から世が覚める

出典: 一億分の一の小説/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞