映画『ゼロの焦点』主題歌
2009年11月に公開された『ゼロの焦点』。
松本清張生誕100年の記念作品で、『ジョゼと虎と魚たち』の犬童一心が監督を務めました。
キャストは、広末涼子、中谷美紀、木村多江、杉本哲太ら。
1961年に初めて映画化、テレビドラマ化された『ゼロの焦点』。
テレビドラマでは、連続ドラマ、特集ドラマなどで何度も放映されていますが、映画化されたのは本作が2作目。
1作目よりも原作に忠実と、ミステリファンも納得の作品となっています。
特に、女優陣の演技に評価が集まりました。
映画のようなMV!

人生を映し出すもの
『愛だけを残せ』のMVは、まるで映画のよう。
中世ヨーロッパを思わせる古道具屋のようなお店。
客らしい女性から鏡を預かる女主人。
鏡を磨くと、その鏡の中には若いカップルが。
鏡が変わるごとに、さまざまな人の生活のシーンが見えてきます。
女性が化粧をオフしているシーン。鏡に化粧瓶を投げつける女性。喧嘩するカップル。
粉々に砕け散った鏡を組み立てる女主人も。
さまざまなショットが細かく重ねられて、ストーリーを感じさせる作りになっています。
抽象的な歌詞ですが、映像のイメージにぴったり!
中島みゆきは魔女?
中島みゆきは、謎のアンティークの主人。
持ち込まれるものがすべて鏡なので、鏡屋さん?鏡を修理する魔女?
くるくるヘアとひらひらの衣装が魔女っぽい中島みゆき。
子どもの頃、鏡の中には別の世界があるのだろうか?と怖くなったことを思い出しました。
このMVでは、鏡には置いてあった部屋の記憶が残されているという設定。
途中、中島みゆきが赤いドレスで歌う姿が圧巻です。
中島みゆきらしい深い発声が印象的な『愛だけを残せ』。
公式チャンネルにいつまでも残して欲しい名作MV(祈)
『愛だけを残せ』歌詞を解説
『愛だけを残せ』は、2009年11月のリリース。中島みゆき41枚目のシングルです。
カップリング曲の『闘りゃんせ』は、米倉涼子主演ドラマ『交渉人〜THE NEGOTIATOR~』の挿入歌。
ドラマではYOKO(久我陽子)が歌っています。こちらの『闘りゃんせ』はセルフカバー。
『愛だけを残せ』はアルバム『真夜中の動物園』にも収録されています。
シングルとは違うアルバムバージョンで、アルバムのラストを飾る曲です。
『真夜中の動物園』は、動物づくしの不思議な世界観のアルバム。
工藤静香提供曲『雪傘』セルフカバーも収録されていておすすめです。
ぜひ、チェックしてください。
では、いよいよ『愛だけを残せ』歌詞解説をしていきます!
コントロールのできない人生
愛だけを残せ 壊れない愛を
激流のような時の中で
愛だけを残せ 名さえも残さず
生命の証に愛だけを残せ
出典: 愛だけを残せ/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
サビから始まります。
印象的なフレーズと中島みゆきの力強い歌声。
激しい流れで全てを失ってしまっても、すべてが壊れてしまっても残るもの。
残したいもの。それが「愛」と言い放つ。
私たちは、時の流れに逆らうことはできません。
いつかは全員が時に流され、いなくなってしまう。
時の流れは、すべてを押し流すことを私たちは誰もが知っています。
ほんの子どもの頃から時計を止めることはできないと。
年齢を重ねれば、時の流れとともに失うものがあることもわかってきます。
やむにやまれぬ 人生は綱渡りだ
選ぶつもりで選ばされる手品だ
出典: 愛だけを残せ/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
私たちは生まれてからずっと、人生という道を歩き続けています。
決して止まることは許されません。
そんな、どうしようもない人生。
人生には危険なことがたくさんある。
今日、危ない目に合わなかったのはたまたま運が良かったから。
そして、私たちの選択。
したいこと、欲しいもの、色々あるけれど、それは本当に自分が望んだもの?
誰かにそう思わされているだけじゃないでしょうか。
自分が決めたこと。それは本当に自分の希望だったでしょうか?
闇の中の風のように
突然に愛は居どころを求める
出典: 愛だけを残せ/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき