アルバム「SODA POP FANCLUB 2」収録曲
「化物」MVをチェック♪
怪しげなイントロとともに映し出される女性は、2018年度サイダーガールの杉本愛里さんです。
部屋で勉強中ですが、机の上にあるコップや本、植木鉢、電気スタンドが宙を舞い始めます。
さらにホットケーキやイチゴのショートケーキ、フライドポテト、ハンバーガー、パスタも……。
ボウリングやおしゃれな服まで飛んでいます。おそらく妄想、これでは勉強に身が入りませんね。
間奏が終わって2番に入ると、頭の中からピンク色の何かが出てきます。これが化物の正体?
しかも頭の中から飛び出し、茶色に変化してギターを弾き始めます。
小さくなった女性もコップの中でノリノリ。もとの大きさに戻ってもすっかり音楽に夢中です。
アイスクリーム、コーヒー、口紅、マイク、おにぎり、スマホ、観覧車……妄想は止まりません。
追い払いますが、あくびをして、最後は眠ってしまうという結末でした。
結局、化物は何だったのでしょうか。歌詞をチェックしてみましょう。
「化物」の歌詞を考察
即席の願いって何?
即席の願いを次々飲み込んで
膨れ上がるのは
情けなくて困っちゃうよな
もう!
毎晩君の声に胸を焦がしてるの
腹を空かせた僕は
今日もまた眠らない街へ行く
出典: 化物/作詞:フジムラ 作曲:フジムラ
サイダーガールは爽快感&儚さの「炭酸系サウンド」からバンド名を思いつくあたり表現が独特。
タイトルの「化物」もドキッとさせられつつ、どういう意味?と不思議な気持ちになるでしょう。
その流れで歌詞を見ると、冒頭からサイダーガールらしい世界観になっていることがわかります。
とくにひと言目の「即席の願い」という表現からして既にオリジナリティにあふれていますね。
まず「即席」というと即席ラーメン、インスタントラーメンを想像する人が多いかもしれません。
「すぐに、その場で、ありあわせで、準備なしにする」といった意味。
つまり「その場で思いついた願い」くらいの解釈がちょうどいいでしょう。
放っておくと「アレが欲しい、コレをしたい」などと様々な妄想が広がってしまうイメージです。
そして「君の声~」という歌詞も出てくるので、願望は恋愛に関するものとわかります。
好きな女性がいて片想いなのでしょう。話をしたい、会いたい……恋しい想いが募っている感じ。
MVの主人公は女性で、実際にお腹が空き、食べ物を妄想していましたが、歌物語は少し違います。
好きすぎて妄想が膨らむものの、満たされない恋心。そのせいで飢餓感を覚えるというわけです。
「お腹が空いたから夜の街に出かける」というより「眠れずに妄想を繰り返す」と解釈できます。
妄想では満足できない
妄想で君に会うものの…
くだらん妄想なんかじゃ
ハートは満たされないから
煙に包まれた君に会いに来たんだ
でも頬張る分だけ
どんどん膨らんでいくよ
こんな毎日はもう嫌々
出典: 化物/作詞:フジムラ 作曲:フジムラ
くだらない妄想では満足できないから、好きな女性のことを妄想する……という展開です。
おいしいものを食べたい、楽しく遊びたい、おしゃれな服を着たい……このあたりはスルー。
なぜなら気持ちが満足することはないから……というわけです。その代わり恋心に集中します。
しかし、好きな人のことを考えれば考えるほど想いが募る状況。切りがないわけですね。
妄想のなかで好きな女性に会って楽しい会話をしたとしても、実際には何も起きていません。
あちこちデートに出かける妄想をして嬉しい気持ちになるかもしれませんが、現実感はナシ……。
確かに嫌気がさす日々になってしまいそうです。
僕は化物?
妄想しすぎた?
即席の願いを
飲み込みすぎたようだ
鏡を覗くとそこには
化物のような僕がいたのさ
出典: 化物/作詞:フジムラ 作曲:フジムラ