「Beauty & Stupid」について
「Beauty & Stupid」について、簡単におさらいしておきましょう。
2ndアルバム「PSYENCE」の先行シングルとして1996年に発売されました。
オリコンチャートでは最高4位を記録し、2007年に再発されています。
日本語に訳すと、「美女と愚か者」ということで「美女と野獣」のパロディ的なタイトルと言えそうです。
もちろん歌詞の内容は完全にオリジナルでパロディ要素はありません。念のため。
アルバム「PSYENCE」にも収録
このアルバムの初回限定パッケージは、ピンク、グリーン、イエローの3色が発売されました。
皆さん予想の通り、ピンクがダントツに人気だったそうです。
「PSYENCE」とは、「PSYCHO(精神)」と「SCIENCE(科学)」を合わせてつくられた造語です。
意味するところとしては、「(この音楽は)科学の力を使って作られているが、その根源となっているのは人間の創造性である」というような意味です。
歌詞に込められた意味とは!
基本的には
もしも愛なら 紛い物で
栗の花咲きゃ Bye bye bye bye
名前知らない2人のままなら
分かり合えちゃったのにね
出典: Beauty & Stupid/作詞:hide 作曲:hide
全体的にかなり刺激的な内容が目立ちますよね。
愛し合う行為そのものと、そこで起こる心の変化を描写した内容とも取れます。
名前も知らないで「分かり合えちゃった」のに、知れば知るほどわからなくなっちゃったのでしょうか。
言葉遊びが満載
気絶する様な 行為の中
気持ち売る様じゃ 恋も泡
出典: Beauty & Stupid/作詞:hide 作曲:hide
hideさんの天才的な言葉遊びが炸裂しまくる本作。
韻を踏んだテンポの良い歌詞が耳に気持ちいいですね。
上記の箇所では「き」と「こ」で韻を踏んでいますが、歌い回しで「恋」を「こぅい」と発音することで「こうい」に近付けているようにも聞こえます。
あれやこれやと こんがらがっちゃうの
いつのまにやら そんななっちゃうの
出典: Beauty & Stupid/作詞:hide 作曲:hide
この2行には文章としてみた時には、たいした意味は見出せません。
しかし、前後の文脈と合わせると想像力をかきたててくれると思いませんか。
「ちゃうの」「ちゃってる」は度々出てきますが、この「~ちゃった」だけで「本当はそうするつもりではなかったのにそうなってしまった」という「予定外な感じ=甘い罠」が強調されています。
こと恋愛に関しては、起こりやすいことですね。
こんな捉え方も
気絶する様な 恋の中
気持ちメチャクチャ ハートバラバラ
惚れたはれたで 勝負乗れば
いともたやすく 愚かな奴隷よ
出典: Beauty & Stupid/作詞:hide 作曲:hide
前半では、乱暴にいうなら下ネタ方向に振っていました。
ところがここへ来て、意外と純情かも?と思わせるフレーズを差し込んできます。
栗の花が咲いたら(の意味は置いておいて)さようならのつもりだったのに、惚れたはれたの勝負では簡単に奴隷になりさがってしまいました。