孤独に想いを乗せた曲
「THUNDERBIRD」は、1998年にリリースされた9枚目のシングル曲です。
この曲は「世界・ふしぎ発見!」のエンディング曲に使われていました。
当時T.M.Revolutionの楽曲では初めてのバラード曲。
発表同年の紅白歌合戦で熱唱し、50%台の高視聴率を上げて話題となりました。
そんな体の内側から絞り出すように歌う西川貴教さんの孤独という想いたち。
苦しくて切ないフレーズに心が揺さぶられてしまいます。
雨に打たれながら歌うMV
豪雨の中、向かい風に立ち向かうイメージがある西川さん。
しとしと降り続ける雨に濡れた姿も魅力的です!
森の中でずぶ濡れになりながらも叫び続ける姿。
まるで出口のない樹海に迷い込んでしまったかのような。
そんな切なさが伝わってくるMVです。
誰にでもある孤独
胸が張り裂けそうな孤独感。
あなたも感じたことがあるのではないでしょうか?
幼いころ親の帰りを待っていた時の寂しさ。
恋人と会えない日が続く夜の静けさ。
大切な人を想えば想うほど、どうにもならない気持ちがこみ上げてきます。
またはこんな孤独を感じる人もいるでしょう。
たくさんの人とつながっているのに何か空しさを感じる。
こんなに一生懸命伝えようとしているのに誰もわかってくれない。
気づいてほしいのに胸の中にそっと隠してしまう想い。
結構あるのではないでしょうか?
一人で過ごす夜に抱く心境
それでは少しずつ歌詞を紐解いていきましょう。
痛みに酔いしれるように
⽉灯りの部屋 ⼼の隅々まで 痛くしよう
君の⼿の中で ⼀⽋けの氷のよう 溶けてゆけるなら
出典: THUNDERBIRD /作詞:井上秋緒 作曲:浅倉⼤介
人が最もつらいと感じるとき。
それは誰ともつながっていない時間だと思います。
一緒にいなくてもいつでも見守ってくれているという安心感。
困ったときに助けてくれるという信頼感。
声を聞くだけでホッとする。
そんなつながりがあるから人は強く生きていける気がします。
でも一人でいる時間はとてつもなく長く感じてしまいます。
そんなときに目を覚ます孤独という痛み。
考えるほど胸の奥でじんわりと広がっていく。
「大切な人の温かさに包み込まれたい」
その希望を一欠けの氷と表現しています。
揺らめく先にあるもの
波のない街で 浮かんだ陽炎に
包まれて⾏く 命はまだ 咲いていくから
出典: THUNDERBIRD /作詞:井上秋緒 作曲:浅倉⼤介
孤独に押しつぶされて自分がなくなってしまいそう。
そんな何とも言えない虚無感を表しています。
命がある限り先に進むことができる。
命がなければ孤独を感じることもない。
孤独を感じていることは生きているという証。
道端でひっそりと咲く花のように、目立たないけれど誰かに勇気を与えている存在。
そんな情景が浮かんできます。