これだけは伝えたい
冷たい心じゃ ないんだよ
冷たい心じゃ ないんだよ
今でも好きだ 死ぬ程に
出典: 星影のワルツ/作詞:白鳥園枝 作曲:遠藤実
自分の気持ちを知って欲しくて、自分の今の気持ちを伝えたくて、同じフレーズを繰り返します。
『冷たい心』は、君を裏切るような冷え切った心。
決してそのような気持ちで別れるのではないことを、伝えるためのリフレイン。
自分も別れを望んでいません。ホントは別れたくないことを願う気持ちが切々と続きます。
君と会っていた時と同じように、好きという気持ちはまだ熱いまま。
別れを決めた今も、その温度が冷めていないことを強く伝えます。
別れを決めたはずの二人なのに、好きな気持ちはまだ現在進行形。
命さえ惜しくないほどの、熱い心があるんです。
こんなに好きなのに、もう別れを決めてしまった二人。
誰もいない遠い所に二人で逃げてしまうことだって、できたのかもしれません。
それをしないで別れを選んだのは、君を思ってのことなんですね。
人並みの幸せって
夢を見ただけ
一緒になれる 幸せを
二人で夢見た ほほえんだ
出典: 星影のワルツ/作詞:白鳥園枝 作曲:遠藤実
本当は別れたくない、好きという気持ちは今も変わらない。
そんな僕と君は一緒に暮らすことを、望んでいました。
好きという気持ちを共有している二人なら、将来を話す時間は輝いています。
ルーティーンになりがちな日常も、二人ですることで笑顔になれますね。
人並みの幸せと言われる将来を、手にすることを信じた時もあったのでしょう。
本当であれば夢ではなく、幸福を現実にすることを望んでいた二人。
話をしている時の、優しく見つめ合う表情も想像できます。
別れを決めた今は、二人の夢は過去の出来事。夢は夢で終わってしまいました。
あの日二人で交わした話も二人の笑い声も、すべて過去の思い出。
消すことが出来ない過去を胸に、夜空を見上げます。
君に届くことを信じて
「……」が切ない
別れに星影のワルツを うたおう……
出典: 星影のワルツ/作詞:白鳥園枝 作曲:遠藤実
歌います、『星影のワルツ』を星に向かって歌います。
歌詞を文字で見ると分かるのですが、歌おうは4つのひらがなで表現。
歌うではなく、文字を一つずつ歌うことで、ただ歌う様子が歌詞になった訳ではないことが分かります。
一文字それぞれに気持ちがあるんですね。君にこの歌を届けたい気持ちが、ひしひしと伝わってきました。
その後は三点リーダー、ここにも気持ちがあります。
千昌夫さんが点点点と歌うわけではないのですが、伝えたい気持ちは止められないまま。
どこかで歌を聞いていると祈りつつ、君への思いは募るばかりです。
星が君に歌を届けてくれると願っているのでしょう。
別れの歌だけど、気持ちはここでプッツリと途切れることはありません。
星に聞かせる君への思いが、夜空に優しく響きます。
愛の大きさは声量で表現
星がキレイだから
あんなに愛した 仲なのに
あんなに愛した 仲なのに
涙がにじむ 夜の窓
出典: 星影のワルツ/作詞:白鳥園枝 作曲:遠藤実
ただ好きということではなかった二人。一緒に暮らすことを夢見て、ハッピーエンドを願っていました。
恋という熱い心と同時に、そこには愛という、まさに愛おしむ心があったのですね。
もう終わったこととして、過去形にした愛を繰り返しで歌います。
千昌夫さんの歌唱力と表現力は、一度目と二度目を見事に歌い分けました。
一度目は自分に聞かせるように、気持ちを抑えての歌唱。
二度目は遠くまで聞こえるような声量で、伸びやかに歌っています。
込められた愛がこだまのように響く、気持ちの良い声。
君に届けたい思いが、聴いている方にもグングンと伝わってきます。
歌に誘われるように自然に涙腺も緩みます。暗い空に見えるのは君の笑顔。
星もいるはずの夜空ですが、今僕の目に見えているのは、君の笑顔だけです。
心から愛していた君はいつも幸せそうに、笑っていました。