amazarashi「エンディングテーマ」
アルバム「世界収束二一一六」収録曲
「世界収束二一一六」は、2016年3月にamazarashiがリリースした3rdフルアルバムです。
”二一一六”と書いて、”ニイチイチロク”と読みます。リリースされてから100年後ですね。
このアルバムに収録されているのが「エンディングテーマ」です。
エンディングテーマとは?
”エンディングテーマ”とは映像作品やテレビ番組のエンディングで流れる音楽のことです。
今回紹介させて頂くamazarashiの「エンディングテーマ」は、”人生という物語におけるエンディングテーマ”として歌っています。
筆者にとって人生のエンディングテーマは中島みゆきさんの「ヘッドライト・テールライト」です。
amazarashiの中から選ぶとしたら、「たられば」でしょうか。最期を迎えるときは、やはり生きたいという思いが強いはずです。
「エンディングテーマ」は、聴く人に生きる活力を与えてくれるような楽曲だと思います。
まずはMVを観て頂きましょう。
深すぎるMVをチェック!
2116年に世界は収束…
時は2116年。コンピュータには"WORLD_CONVERGENCE_SYSTEM"と書かれており、世界の収束を意味していうようです。
スクリーンには”世界人口一人、青森、日本”などの言葉が並んでおり秋田ひろむさんが死を迎える直前であることが分かります。
一人にしかいない世界ですが、現代の技術よりも100年進化した技術から、死亡する時刻が分かるようです。
6分少々で脈が止まります。6分を切ったところで”生命維持ガ困難デス メッセージヲ残シマスカ?”という言葉が表示されます。
100年前に書いたエンディングノートをインストールするのです。
病室のベットにいるのは秋田ひろむ?
このMVに出てくる、病室のベットで横たわっているのは、秋田ひろむさん本人です。
秋田ひろむさんは顔を出さずに音楽活動を続けている方なので、気づかなかった方も多いかと思います。
このMVには、最先端の”フェイスマッピング”が使用されています。
更に今回は、”リアルタイムリップトラッキング”といわれる、口の動きに合わせてトラッキングする世界初の試みが挑戦されたのです。
秋田ひろむさん本人の顔に、CGで制作された100年後の自身の顔を投写し、口の動き、瞬き、涙まで表現されています。
秋田ひろむ直筆のメッセージも!
MVには沢山の方のメッセージが映し出されます。その中には秋田ひろむさん直筆のメッセージもあります。
スクリーンの左下に"CAM26"と書かれているものは全て、秋田ひろむさんの言葉のようです。
悲しくて泣いたとき…同い年の友人が事故で死んだとき
愛したものたち…昔から作ってきた音源たち
必死にやり続けたこと…デビューしてからの愛想笑い
人生最後の言葉…ありがとう
記入している途中でしたが、お世話になった人には、”自分の音楽を愛してくれてありがとう”と伝えたかったのでしょうね。
歌詞解説
こんなに空が青いのは ちょっと勿体ないな
少し曇ってるくらいの方が 丁度いいよな
真っ白な病室の 窓の向こうでは
そろそろ桜も咲くんだろうけどな
出典: エンディングテーマ/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
秋田ひろむさんらしい、ネガティブで卑屈な言葉で歌詞が始まります。
最後の日を迎えるにあたって、不自由になった体でベットから外を眺めています。
雲のない青空を完璧だとするなら、自分には曇り空の方が似合っているのです。
それはきっと自分の人生が完璧ではなく、沢山の後悔がまだ残っているからでしょう。
自分が死んでも地球は回り続けます。きっと自分がいなくなったとしても、世界ではほとんど変わらない毎日が続いていくのです。
満たされていたいって いつも思うけれど
満たされていないからこその 願う力
腹が減ってる時の 食欲みたいな物
あなたはどうか大事にしてね
出典: エンディングテーマ/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ