『三月の陽炎』の魅力とは?
今回は、 HYのアルバム『CHANCE』の9曲目に収録されている『三月の陽炎』の歌詞の意味を解釈していきたいと思います。
この曲は、同じく『CHANCE』に収録されている『BLUE』という曲と同じくらい好きな曲です。
恋の終わりを自ら告げた彼の胸の痛みが綴られていますが、 心を温かく包み込んでくれるようなメロディーがとても優しくて、 聴くだけで心が癒されます。
そんな優しいメロディーと切ないけど、 失恋したことがある方なら多少なりとも共感できてしまう部分もある歌詞を、 少しでも多くの方と共有できたらいいなと思っています。
失恋した経験がある方も、 そうでない方も、 一度聴くと頭から離れない!? 優しい歌の世界にはまってみましょう!
それでは、『三月の陽炎』の歌詞の世界に浸ります。
しばしおつきあいください。
タイトルの『三月の陽炎』について
歌詞の世界に浸る前に・・・
『三月の陽炎』というタイトルを少し掘り下げてみようと思います。
”三月”といえば、 冬が終わり少しずつ暖かくなってくる季節です。
心も体もなんだかウキウキしてしまうそんな季節であると同時に、 卒業シーズンでもあることから、 ”別れ”の季節というイメージがあります。
”別れ”と言っても、 ”卒業”し、大きく環境が変わる第一歩、 新たなスタートなので、 決して後ろ向きなイメージばかりではないと思っています。
次に、”陽炎”という言葉の意味を調べてみました。
陽炎とは、 春の晴れて直射日光の強い日などに、 地面からゆらめいてのぼる気。
あるかないかわからないもの、 はかなく消えやすいもののたとえに用いられることが多い、 と、記されています。
『三月の陽炎』は、 自ら恋の終わりを告げた胸の痛みについて、 歌われていることから、 三月=環境が変わる大きな節目に、 陽炎=はかなく消えやすいもの=永遠だと思っていたのに続けることのできなかった終わってしまった恋について、 綴られていると解釈できます。
『三月の陽炎』の世界観
哀しみに打ちひしがれている1番Aメロ
月が沈み日が昇る 新しい今日がまたやってくる
そうやって哀しみはいつしか癒されてゆく
今更何を言ったって 始まりに戻れるわけはないんだ
あんなに楽しかった日々に自らピリオド
出典: 三月の陽炎/作詞:Izumi Nakasone 作曲:Izumi Nakasone
月が沈んで、 朝が来て太陽がのぼり、 新しい今日は、変わることなく、 自分の感情とは無関係にやってきます。
色々、落ち込んで自分自身、 前に進める状況ではなかったとしても、 変わらずやってくる毎日の時間の流れにより哀しい気分も少しずつ、 癒されていくはずだ。と、自分に言い聞かせています。
”今更何を言ったって始まりに戻れるわけはないんだあんなに楽しかった日々に自らピリオド”という表現から、 自分から別れを告げたことを後悔している気持ちが感じ取れます。
ここでなぜ、自分から別れを告げてしまったのか。
タイトルの”三月”から、 新しい環境に変わることにより、 彼女と離れ離れになり、 彼女に寂しい想いをさせるまいと彼女の為を想って、 別れを決意したのではないか?と想像しました。
いつまでも落ち込んでいるだけではだめだという気持ちが表れている1番Bメロ
癒えない痛みはないよ 癒えない傷もない
痛い思いした分だけ輝くと信じたい
出典: 三月の陽炎/作詞:Izumi Nakasone 作曲:Izumi Nakasone
時間が経てば、
きっとこの胸の痛みは消えるはずであり、
自ら想いを断ち切った恋で傷だらけになっていても、
いつか癒えるはず。
そして、
大好きな彼女の為を想って、
自分の気持ちに嘘をついてまで、
別れを告げるという痛い想いをしたのだから、
いつか自分は、
より一層、人として成長できるはずだ!と、
前向きに考え、
せめて今の自分のこの胸の痛みが、
無駄な経験、間違った決断ではなかったよね?と、
自分に言い聞かせているように思えます。
決断の裏の本音が存分に表れている1番サビ
あなたを忘れたくないよ 思い出も消したくないよ
全部全部覚えてて欲しい 例え繋がらなくても
あなたを忘れたくないよ 思い出も消したくないよ
全部覚えてて欲しい 例え繋がらなくても
出典: 三月の陽炎/作詞:Izumi Nakasone 作曲:Izumi Nakasone
そう強がって言い聞かせてみても、 本音を言ってしまうと、 彼女のことを忘れられることなんてできないし、 思い出も消したくないし、 彼女にもすべての出来事を覚えていてほしい。
彼女のためを想って別れを決断した事実が、 彼女に届くことはないとしても、 どうか僕の存在を忘れないで、 全部覚えていてほしいという気持ちが表現されています。
サビのメロディーが本当に優しくて、 個人的に大好きです。
私がこの曲を失恋直後に聴いたとしたなら、 100%の確率で号泣してしまうと思います。。。
想いは簡単には断ち切れない!未練が表現されている2番Aメロ
一人きりの夜がやっぱ 一番堪えてくるもんなんだな
暖かい温もりが前は確かにあったのに
電話が鳴るたびに君か? なんて思う日々のループ
声が聞きたいよ いつも背中押してくれた君
出典: 三月の陽炎/作詞:Izumi Nakasone 作曲:Izumi Nakasone