夢だってかまわない?
シューマンの型で独りぼっち
彷徨った夜まだ癒えない!
明晰夢に踊らされもっとあなたのような夜を見たい!
出典: コヨーテエンゴースト/作詞: wowaka作曲:wowaka
明晰夢とは夢だと理解している夢のことを指します。
夢だとしても、いえ、夢だからこそ楽しい夢を見たいもの。
夢ですら独りきりというのは寂しすぎますから。
愛しい人とともにある心躍る夜。
正解を探すために駆けずり回った痛みすらも忘れてしまいます。
それでも夢は本当ではありません。
傷がいえるとすれば夢が現実となった時になるのでしょう。
その時こそ自分の想いが正しいのかどうか、わかるのかもしれません。
言うも、行うも難し
言うは易く行うは難し、なんていう言葉があります。
けれども言うことが易しいとは限りません。
言葉というのは時に難解で時に無力で。
だからといって行うことが易しいわけでは決してありませんが。
言葉というのは難しい
喧々囂々
二進も三進もいかなくなってる世の中で
来る日も来る日もあの娘のことしか
考えられなくなっていた
此れだけ言うのは簡単だけれど
言葉で如何にか出来るほど
あたしの心は明快な思いを見附けられなかった
出典: コヨーテエンゴースト/作詞: wowaka作曲:wowaka
自分が感じたこと、考えたことを言葉で説明しようとしてもうまくいかなくことがあります。
頭の中を占めて仕方がないと言われればひどく夢中なんだとほほえましく思う人もいるかもしれません。
しかし本人からしたらほほえましいことではないでしょう。
心が自分の思う通りには動かずどうすればよいのかもわからない。
「恋」や「慕情」といえば簡単だけれどもそれもまた違う気がする。
現代では言葉は主要な表現方法です。
言葉で言い表すことができないと途端に不安になってしまいます。
同時に、言葉の無力さを思い知るのです。
言葉だけでは足りない
正々堂々
真正面からあの娘の扉を開けてみたい
方法論も大正論ももういい加減に聞き飽きた
いつでもどこでも何でもかんでも
言葉で如何にか出来やしない
それでもあたしが縋っていたのは
また言葉でしかなかった
出典: コヨーテエンゴースト/作詞: wowaka作曲:wowaka
幾重にも重ねた言葉よりも一瞬の瞳が雄弁に語りかけることがあります。
とっさの行動にこそ心が現れるといいます。
言葉は便利ですが便利であるがゆえに時として安っぽく聞こえることも。
そもそもあの娘に惹かれたきっかけは言葉を重ねたからではありません。
出逢った時から言葉の無力さをかみしめていました。
しかし、それをわかっているからといって言葉以外の方法があるわけではありません。
あの娘の心を動かすには言葉では役者不足なのにそれにすがるしかない。
主人公の無力感、焦燥感が伝わってきます。
人は幽霊には触れられない
コヨーテは夜行性の動物で、良く吠えることでも知られています。
心が吠えながら彷徨い歩く姿は確かにコヨーテに類似しているのかもしれません。
それにしても主人公は熱に浮かされたり夢に溺れたり。
あっちらこっちらと落ち着かない様は地に足がついていないかのよう。
地に足がついていないのならばそれはコヨーテといっていいのか疑問なところです。
恋に浮かされ酔っぱらって、それでも望みは叶うことはなく。
相手と触れ合えないならば思いを伝えられないのならば。
それはそこにいないのと同じこと。
さて、幽霊なのは実際どちらなのでしょうか。
もしかしたらいっそのこと抱きしめてみれば手っ取り早いかもしれません。
何せ、人は幽霊に触れることができません。
抱きしめて相手があると実感したらもう現実に、あの娘と向き合うしかありません。
夢に逃げることはできないのです。
ヒトリエの魅力的な楽曲
ヒトリエには心を突き刺すような歌がたくさんあります。
そのうちのいくつかをご紹介しましょう。
【センスレス・ワンダー(ヒトリエ)】歌詞の意味を解釈!メッセージが刺さる…かっこいい言葉選びは秀逸 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
ヒトリエの『センスレス・ワンダー』はとにかく歌詞が深い。かっこいい言葉の裏にはどんなメッセージが隠されているのか?歌詞の意味を解釈しました。
理想と現実のギャップに悩む人間が主人公の歌はよくあります。
そういった歌は最後は前向きに終わることも多いのですが……。
主人公の最後に背筋が凍ります。