(セリフ)
傷つけられても
傷つけたくない
愛されるより
愛していたい
歌手の前に
人間でありたい
あなたの前で
女でありたい
私は
もう 二十歳
(歌)
マンジュ-シャカ 恋する女は
マンジュ-シャカ 罪作り
白い花さえ 真紅に染める
出典: 曼殊沙華/作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童
「曼殊沙華」はシングルカットされておらず、1978年に発売されたアルバム「曼殊沙華」に収録されている曲です。
セリフから始まるこの曲は、恋に身を焦がす女性の激しい情念を感じさせます。
最初のセリフ部分では、20歳の女性の素直な気持ちが描かれています。
その内容はまるで百恵さん本人のことかと錯覚しそうになります。
この時20歳だった百恵さんは、年齢よりもずっと大人に見えこの曲を歌っている時は特に妖艶さが増しています。
今更ですが、山口百恵さんという人は曲の世界観を表現するのがうまい人なんだなと感じています。
第6位 いい日旅立ち
国鉄のキャンペーンソング
雪解け間近の北の空に向い
過ぎ去りし日々の夢を叫ぶ時
帰らぬ人達 熱い胸をよぎる
せめて今日から一人きり 旅に出る
あゝ日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日 旅立ち 夕焼けをさがしに
母の背中で聞いた歌を道連れに…
出典: いい日旅立ち/作詞:谷村新司 作曲:谷村新司
1978年に発売された24枚目のシングルで、国鉄(今のJR)のキャンペーンソングとして知られています。
「旅立ち」というタイトルから卒業や結婚のお祝いの時に歌われること多い曲です。
でも、「私」は祝福されて旅立っている訳ではないと思います。
見送る人もなく一人で旅立とうとしている情景はもの悲しさを感じます。
でも、新しい場所で新しい出会いがあることを信じて旅立つ「私」の強さが救いになっています。
第5位 秋桜
結婚直前の娘から母への想いを歌った感動的な曲
淡紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽溜りに揺れている
此頃涙脆くなった母が
庭先でひとつ咳をする
こんな小春日和の穏やかな日は
あなたの優しさが 浸みて来る
明日嫁ぐ私に 苦労はしても
笑い話に時が変えるよ
心配いらないと 笑った
出典: 秋桜/作詞:さだまさし 作曲:さだまさし
1977年に発売されたこの曲は、阿木煬子・宇崎竜童コンビが作る世界とは真逆の女性を歌った曲です。
さだまさしさんの描く穏やかで温かい情景は、歌手「山口百恵」ではなく素の「山口百恵」を感じさせます。
嫁ぐ娘が母親への感謝と想いを歌ったこの曲は、若い女性から支持されオリコンで5週連続第3位になっています。
第4位 夢先案内人
阿木・宇崎コンビはかわいくてHappyな曲も作るんだ
月夜の海に二人の乗ったゴンドラが
波も立てずにすべってゆきます
朝の気配が東の空をほんのりと
ワインこぼした色に染めてゆく
そんな そんな夢を見ました
あなたは時々振り向き
Wink and Kiss
微笑ながらあいずに肩をすくめても
ちょっぴり眠い夜明け前です
出典: 夢先案内人/作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童
阿木燿子さんが山口百恵さんに提供する詞は、満たされない心を持て余している激しい女性像でした。
でも、この歌詞は珍しく彼と仲睦まじく戯れる幸せそうな女性を描いています。