「アウフヘーベン(Mrs. GREEN APPLE)」ってどういう意味？！歌詞の内容を徹底チェック☆

結局自分が責任を放り出して逃げたところで、時間が経てば自然と何とかなるならどうしていたっていいのではないかという諦念さえ歌われてしまっていますね。

また、友達に相談したって、優しい言葉で一瞬心に虹がかかったように安らいだところで虹はすぐに消えてしまうように、悩みは消えることはないということも描かれています。

そして、隠していたことを暴露してしまえば大勢が傷ついて、隠していたところでそのうち朝日に照らされるように、真実は明らかになってしまうと、どこへ行っても救いがないということを言いたいのでしょう。

同じ朝日でも、それによって照らされて報われる人もいれば、朝日が差すことで刺されるように社会的に死んでしまう人もいるということですね。

つまり、ある人にとっては正義や救いがある人にとっては悪や絶望であることもあるということです。

とうとう何が正しいのかわからなくなってきたという人も多いのではないでしょうか。

何が生きる上での救いなのか、何が正義なのか...。

しかし、それこそがこの曲の狙いなのでしょう。

「パブリック」の歌詞では、善も悪も全て愛せればという想いで終わっていますが、相変わらず世の中は混沌としている。

そんな現状が描かれているのがこの歌詞なのです。

一番の歌詞のように、世論は今日もあっちにいったりこっちにいったり、みんな同じ向きを向いて行ったり来たりしている。

その度に変わる正義と悪に戸惑っていると、人からは「ドン臭い」と言われてしまう世の中では、流行に乗るように、このコロコロと変わる世間の波にうまく飲まれてしまうのが美徳なのかと皮肉っていますね。

「アウフヘーベン」のようにいいところも悪いところも生かした誰も傷つかない「間」の解答が生み出せればいいのに。

皮肉にもどちらかが浮かばれればどちらかが沈むこの世の中ではそうはいかない。

曲名にも皮肉が込められていたことがわかりますね。

また、最初の歌詞に出てきた「フリコ」という言葉には大きく振り切った答えが面白いからとみんなついていくということも意味しているのでしょう。

しかし、それでは愚かな独裁者に世論がついて行きかねない、非常に危うい状態だということもこの曲は指摘しているのです。

こうして歪んでしまった世界は戻せないのか、美しい世界を作り出すのは無理なのかと問いかける歌詞。

しかし、結局たどり着いた結論は、世の中は「歪んでいて綺麗なもの」、つまり矛盾があるからこそ美しいのだからどうしようもないということなのでした。

つまり、「アウフヘーベン」的にいうと、根本的に歪んでいるからこそ、それをきっかけに綺麗なことが生まれるということになるのですね。

闇があるから光がある。

そんなどうしようもない世の中で、自分なりの折り合いをつけて生きている誰かがこの曲の向こうにいるのが見えてくる歌詞。

あなたは、その誰かが自分だと感じますか？

それとも、そこまで共感できなかったでしょうか。

「アウフヘーベン」の歌詞を解釈しましたが、いかがでしたか？

解釈の中では見出しを作らなかった歌詞なのですが、この曲は「なんだっていいんだっけ？」、「大丈夫なんだっけ？」という歌詞で幕を閉じています。

何も大丈夫じゃない、逃げていいはずはない。

それでもなんとか生きていかなければならない。

だから、誰かにあなたのせいじゃない、大丈夫だっていいってほしい。

そうして、みんながギリギリで保っているこの世の中に疑問を投げかけるのです。

本当にそれでいいのかと。

Mrs. GREEN APPLEの世界観に引き込まれる一曲でした。