第7位 LOSER
2016年9月リリースの5thシングルに収録。
同シングル収録の「ナンバーナイン」と両A面として発売されました。
この「LOSER」のミュージックビデオについては、SNSで事前に告知された通り、渋谷の街を大きく使ってゲリラ的に解禁されました。
上でも少し触れていますが「LOSER」はMVでの米津さん本人のダンスもとても話題になりました。
彼のダンスを指導したのは世界的に活躍する辻本知彦さん。
近年日本では土屋太鳳さんのコンテンポラリーダンスを振り付けしたことでも有名です。
土屋太鳳さんは体育大学で舞踊を学ぶほどの身体能力の持ち主なわけですが、一方の米津さんはというと、継続して運動をしたことは1度もないという人。
しかし彼はやはり根っからの表現者であるのでしょう、振り付けをした辻本さんにして米津さんのダンスの才能は天才的と言わしめたのです!
ダンスに対する身体能力の高さと、辻本さんいわく、表現することへのセンスの良さは万人に1人の芸術性というのだから、本当にすごいですね!
天は二物も三物も与えちゃってます!!
LOSERの歌詞解釈はこちら
米津玄師「LOSER」が待望のリリース!矢継ぎ早な曲展開の歌詞を紐解く - otokake(オトカケ)
最近何かと話題に上る米津玄師さん。筆者のフォロワーさんも米津玄師さんが大好き。 そんな彼の待望の5thシングル「LOSER」がリリースされました! 読むほどに深い歌詞を筆者なりに紐解いてみました。
第6位 アンビリーバーズ
2015年10月に発売された3rdアルバム『Bremen』に収録。
また2015年9月リリースの4thシングル楽曲でもあり、MIZUNO「WAVE ENIGMA 5」のCMソングとして使用されています。
ミュージックビデオに登場するキャラクターも独特な雰囲気を醸し出し、まるでヒーロー戦隊モノのような、ストーリー性のある作品として観られます。少し奇妙な気もしますが、、、
しかし実際のところは、「今は信じない 残酷な結末なんて 僕らアンビリーバーズ 何度でも這い上がっていく」ととても前向きで力強い歌詞が特徴的な楽曲です。
「アンビリーバーズ」は米津さんの楽曲の中ではポジティブな言葉が並ぶ率の高い作品です。
この楽曲に励まされたというファンの人もたくさんいます。
ただ、彼の歌う“ポジティブ”はただ“前を向いて”とか“大丈夫!笑って!”ということを押し出してくるものではありません。
傷つく事、傷ついてきた事、うまくいかない事、取り戻せない何か等々、私たちが生きる上で抱えている“ネガティブ”を認めたその上で“大丈夫だよ、一緒にいこう”といってくれるんですね。
そして私たちの根底には、たくさんのネガティブを跳ね返せる大きな力があるんだよと、教えてくれている気がします。
unbelieversとは英語的には(宗教上の)不信心者を指すようですが、きっと米津さんは“世間の固定概念にはまらない人”というような意味で使っていると(筆者は勝手に)思っています。
第5位 サンタマリア
米津玄師にとって、メジャー1作目としてリリースされた楽曲です。
2014年4月に発売された2ndアルバム『YANKEE』には、1stシングル「サンタマリア」のボーカルを取り直したものが収録されています。
タイトルの「サンタマリア」とはイタリア語やスペイン語などでイエスの母マリア、聖母マリアのこと。
何かに向かって願いを込めるような穏やかな歌詞が米津玄師本人が出演するミュージックビデオと、絶妙に重なり合っています。
無機質でありながらも、どこか純粋さが感じられる映像は、米津玄師らしいと言っても過言ではないのかもしれません。
「サンタマリア」のMVでは、彼は首にカサブランカ(白百合)のレイのようなものを掛けています。
白百合は花言葉が純潔や無垢を表し、キリスト教ではそのイメージからそのまま聖母マリアの花ともされています。
きっとこの花言葉や意味を知って、彼はMVで白百合を用いていると思うのですが、歌詞には“サボテンはまだ咲かない”と出てくるんですね。
ではサボテンの花言葉はというと“忍耐”とか“燃えるような愛”なんです。
救いを求めるような無垢で純粋な愛に焦がれながら、その“焦がれる”というのは“燃えるような愛”という感情で……。
米津さんの楽曲には、1つの容れ物の中にある相反する感情や状況を非常に巧みに表すものが多いと感じます。
人間はただ1つの面だけでは割り切れず、善も悪も内包していて、いつも矛盾の中で理想を追い求めている……哲学的で言い表しがたい感情を昇華するのが本当に上手だと思います。