そして気付いていた方も多いかと思うのですが、彼女の歌ってすごく歌詞が聴き取りやすいんです。

元の声が周りの音に埋もれない響きを持っていることもありますが、これは彼女が歌詞を大事にしていることの表れ。

やはり恋愛の歌で一番重要なのは歌詞の内容ですよね。

ここからはそんな「失恋した日」の歌詞に順を追って迫っていくことにしましょう!

もう戻れないのに忘れられない…主人公はどうする?

さようならを言えなくて
私は今ここにいる
大好きだと言えなくて
私は今泣いている

あと何度思い出し
あと何度泣くのでしょう
あと何度後悔し
あと何度探すのでしょう

出典: 失恋した日/作詞:erica 作曲:erica、nao

「さようならを言えなくて」というのは彼を忘れられないということを。

「大好きだと言えなくて」というのは、かといって恋人に戻れるわけではないということをそれぞれ表しているのではないでしょうか。

彼のことを忘れられないけど、もうあの頃に戻れないという事実はどうあがいても変わらない。

そんなどうしようもない感情に苛まれる日々が、長く続いていることがこの部分で物語られています。

そしてその感情に終わりが見えないということも、失恋に際した場面では多くの人が抱く気持ちではないでしょうか。

本心を隠していた主人公

ずるいのは私のせいだ
結局何も出来なくて
これでいいの 今はいいの
そう言い聞かせては逃げていた

出典: 失恋した日/作詞:erica 作曲:erica、nao

今こんなに後悔しているのは、自分のせいだという主人公。

彼女が「今はいい」と言って逃げていたのは、きっと彼と真剣に向き合うことからです。

現状付き合えているのだから、それでいいのだと思っていたのも束の間。

そうやって向き合うことから逃げることが意味するのは2人の心の距離です。

それ自体が2人の別れを早めたと言ってもいいのではないでしょうか。

本心を言わずに居たことが正しかったのか…

傷つくと分かって会いに行く
私は私はあなたの何になれた
少しは一部になれてたかな
あなたの理想の人でいたかったから
本気なんて言えなかった
分かってたのに ちゃんと分かってたのにな

出典: 失恋した日/作詞:erica 作曲:erica、nao

忘れられない彼とのけじめをつけるためとでも言うのでしょうか、ここで彼に会いに行く決心をする主人公。

そう、彼女は彼の理想の存在であり続けるために、自分の本心を伝えられていなかったのです。

きっと本心を伝えてしまえば、彼にとっては想いが重すぎて足かせになってしまう。

彼を想ってその気持ちを伝えなかったことは本当に正しかったのか…彼女はそれを確かめに行こうと思ったのでしょう。

主人公が付き合っていたときにしたことは、その方が彼のためだとわかった上での行為。

それでも今後悔の気持ちが残っているから、彼女は彼を忘れられないのです。

今は友達として接してくれる彼

あと何度夜を越え
あと何度夢見るでしょう
あと何度願っては
あと何度祈るのでしょう

また今度連絡するね
その優しさが切なくて
たった一言 愛の言葉を
私は最後まで待っていた

出典: 失恋した日/作詞:erica 作曲:erica、nao

ここの部分からは、恋人関係でなくなっても彼との仲は続いていることが感じられます。

連絡をすれば飽くまで友達として優しく反応を返してくれる彼。

ふとした瞬間に「今も好きだよ」と言ってくれたりしないだろうか…そんなことを期待してしまう主人公の想いが垣間見えます。

友達としての関係が続いているからこそ、変に期待してしまう分余計に辛いのですね。

本心を言わなかったことが今の関係へと導いたのでは?

曖昧でいい 何者でもいい
あなたのあなたの未来にいたかった
こんなに誰かを想えたこと
本当に本当にあなたでよかったよ
大好きなんて言えなかった
分かってたから 何も言えなかった

出典: 失恋した日/作詞:erica 作曲:erica、nao

そして主人公が彼の足かせになってしまうことを恐れて、想いを伝えていなかったということがここにも登場します。

例え本心を言わなくても、なんとなく彼のそばに居るだけでもいい。

それが彼の邪魔をしないための主人公の想いだったのでしょう。

しかし今友達に戻っていることは、きっとその想いを伝えなかったことこそが原因なのではないでしょうか。

夢追い人の彼…主人公は力になることができたのか?