MOROHA【革命】歌詞の意味を考察！蛍光ペンで何をしたいの？描き殴ることで吐き出そうとした葛藤とは

アコースティックギターとMCの異色のコンビ、MOROHA。

既存のどんな音楽のジャンルにも括ることのできない、唯一無二のスタイルを貫くアーティストです。

本日ご紹介する楽曲はそんなMOROHAの【革命】。

長野の田舎から夢を追い上京したものの、なかなか日の目を見る事ができなかった2人。

気付けば周囲の音楽仲間は1人減り2人減り、売れていくバンドはみんな年下ばかり。

自分たちの道は本当にこれでよかったのか？

これから先、自分たちはどんな大人になってしまうのか？

そんな自問自答と葛藤の日々の中、MOROHAの出した結論がこの【革命】でした。

魂の叫びにも似た渾身の歌詞を、どうかご覧頂ければと思います。

MOROHAの楽曲の中には、歌詞にはクレジットされないアフロの独白が収録されていることもしばしば。

楽曲の歌詞に負けず劣らずの熱を持った台詞に、心の奥が熱くなる方も多いとか。

この【革命】にもそんなアフロの独白が収録されています。

歌詞の前にまずはそちらを見てみましょう。

仲の良い友人の誕生日を祝う飲み会の席。

いつもと変わらない店、いつもと変わらないメンツ。

昔と同じように集まって、時には羽目を外して馬鹿なこともやって。

そんな気の置けない友人たちと集まる時間は、確かに楽しいものでした。

いつか音楽で売れてやろうという野望は、出会った頃と変わらないままです。

しかしそんな中で、実際に売れていったヤツはこの中にはいません。

それもそのはずです、売れていったヤツはいつの間にかこんなシケた店なんかには来なくなりました。

時にはそんないなくなった薄情なヤツへの愚痴も、美味い酒のアテとなるのです。

こんな楽しい時間がいつまでも続いて欲しい。

そんな願いも、確かに嘘ではありませんでした。

それでも、時折ふとこんな思いが胸をよぎるのです。

「俺、こんなとこで何してるんだろうな」

「俺、このままで本当にいいのかな」

その度に、あんなに楽しかった時間の思い出は嘘のように冷え固まってしまいます。

ただの気の迷いだと言い聞かせるには、その鉛の塊のような気持ちはあまりにも存在感がありました。

その度に、こんな思いを抱えているのは自分だけなんだろうと考えてしまいます。

だってみんなの顔はいつも、そんな澱んだ気持ちなど一切見えないような笑顔だから。

そう考える度に、心に抱える鉛の塊のような思いはその重さをどんどん増してゆきます。

そしていつしかその『重い想い』に、耐えられなくなってしまったのでした。

いつもの場所からの離脱、いつものメンツとの別れ。

心地良い空間から離れる事を、当然仲間たちは不思議に思いました。

一緒に頑張ろうって言ったじゃないか、俺たちといるのが楽しくないのか。

そんなわけでは決してありません。

彼らと一緒に過ごした時間が楽しかったのも、自分の本当の気持ちです。

しかしそれ以上に譲れない自分の本当の気持ちに、やっと気付くことができたのです。

そう告げた言葉に、反論する仲間はいませんでした。

みんな心の底で、大なり小なりこの鉛の塊のような気持ちを抱えていたのです。

出会ったばかりの頃に抱えていた、音楽で売れようという熱い野望。

野望はいつしか温度を無くし、口から出るだけの形骸化した夢と成り果てました。

その夢にもう一度火を灯すべく、辛く苦しい現実と向き合う決心をしたのです。

一度は夢を語り合った仲間たち、彼らの野望が熱い炎だったことも知っています。

だからこそ、昔の自分は彼らと仲間になりたいと思ったのですから。

野望を叶える為に何度も戦い、そして何度も敗れてきました。

誰よりも自分がかっこいい、そんな自信はいつしか消え失せ、敗れることが当たり前となりました。

敗れることが分かっている戦いに挑みにいく馬鹿はいません。

敗れて傷つく自分の心を守るために、いつしか戦うことをしなくなりました。

気付けば季節は何度も移ろい、東京に出て6年目の春。

あの頃の自分が、今の自分を見たらなんて言うだろうか。

今の自分を見る、昔の自分の蔑んだような視線。

それを考えると、背筋も凍るような思いがします。

人生の中で、自分に残された時間は刻一刻と減り続けます。

人の世は無常、いつ誰に終わりが訪れるのか、誰も知る由もありません。

自分だって例外ではないのです。

来年が、半年先が、1か月後が、明日が、自分にある保証なんてどこにもないのです。

このままじゃいけない、このまま死にたくなんてない。

そう思えたなら、いまこの瞬間から生き方を変えるしかないのです。

これまでぬるま湯に浸かり続けてきた弱い己と戦い、もう一度戦いの場に立つしかないのです。