厳しい現実
希望を持って
でたらめな午前5時
折り鶴潰さないように
そっと歩いた
すれ違う人の傘ぶつかる度に
跳ねる大都会の魚
出典: 作詞:YUKI 作曲:中野領太
1番では希望ある未来を歌っていましたが、2番のAメロからは少し現実味を帯びた言葉が目立つようになってきます。
折り鶴というのは恐らく希望や夢の象徴でしょう。
人を勇気付ける場面でしばしば送られますね。
しかし折り鶴はそのほとんどが紙で作られているものなので非常に脆いものです。
少し油断しているとクシャッと握り潰してしまうほどに。
都会に揉まれながらも必死に生きる主人公は、小さくて脆い希望を守りながら生きているのです。
けれども傘から飛び散る雨の雫を見て、それを魚と表現する事の出来る所にはまだまだ心の余裕が感じられますね。
人の良い所を見つける事の出来る主人公だからこそ、このように腐らず明るく生きて来られたのかもしれません。
酸いも甘いも
互い違いのボタン
かけ間違えたまんまじゃあ
おいしい夢だけ食べて
生きられないよ
それは時に厳しく
道を踏み外してしまう
愛を止めないで気付いてく旅の途中
出典: 作詞:YUKI 作曲:中野領太
ここで歌詞の中に度々登場している夢を語る人物と主人公が、恋人同士だという事が判明しますね。
一緒に同じ時間を過ごすうちに少しずつ価値観のズレが生じてしまったのでしょうか。
いくら仲が良くとも長い時間同じ空間に居れば喧嘩になってしまう事もありますよね。
しかし、そんな時でも主人公は人に優しくあり続ける事が出来ました。
喧嘩になりそうになる度に優しく相手を諭すような言い方で説得するのでしょう。
夢を追う彼がムシャクシャしているのを見つければ慰めてやり、真心を持って彼の夢を応援してあげているのが伝わってきます。
この2人がうまくいっているのは、ひとえに主人公の献身的な気持ちがあるからなのかも知れませんね。
吹っ切れた人の強さ
悩んだ結果
ふわふわの雲に乗り
いたずらに穴を開けて
とびきりの変顔を待受けにしよう
並んだ2つの影
どこまでも伸びていくよ
頑張る理由それなりに考えたけど
出典: 作詞:YUKI 作曲:中野領太
この章では主人公の非常に吹っ切れたような様子が描写されています。
YUKIの歌詞には度々ファンタジー要素の強い表現が使われますが、ここではそれが最も顕著に表れていますね。
今まで現実味の強い言葉を使っていた分、急にファンタジー要素を含んだ言葉がそこに飛び込んで来る事で一種の爆発力が生まれます。
夢に向かって進む彼と自分とのギャップに悩んでいた主人公でしたが、どうやらその悩みから解放されたのでしょう。
恋人とふざけ合い、今では天にも登る気分のようです。
2人のどんどん長くなる影がこれから先2人に訪れるのであろう明るい未来を感じさせますね。
1番聞きたかった言葉
「素直で明るいだけで人には価値がある」と
誰でもいいもう少し早く教えてよ
出典: 作詞:YUKI 作曲:中野領太
これは正に主人公が一番聞きたかった言葉でしょう。
この言葉を贈ったのが彼なのかどうかは定かではありません。
しかし、どこかで聞いたこの言葉をきっかけに主人公が悩みから解放されたのは確実です。
自分のあり方に悩む人の背中をこれほど優しく押してくれる言葉が他にあるでしょうか。
どれほど主人公が勇気付けられたのかは想像に難くありませんね。
追い風向かい風
自分は自分
歓びに頬を緩め
朝焼けに足るを知る
私にしか歌えない歌があるんだ
出典: 作詞:YUKI 作曲:中野領太