スピッツの隠れた名曲「名前をつけてやる」
日本を代表するロックバンド、スピッツの2ndアルバムの表題曲「名前をつけてやる」。
本記事ではこの楽曲にフォーカスを当て、その歌詞に込められた真意を読み解きます。
何に、誰に対して「名前」をつけてやると言っているのか、そのあたりも気になりますね。
アルバムの表題曲として存在感を放つ作品の魅力をたっぷりお届けします!
実は青臭い曲
ビートロック全盛期に新たなスタイルを確立したバンド
この曲はバンドブームの真っ最中に生まれたスピッツファンが愛する1曲です。
1990年代といえば、BOOWYを始め、THE BLUE HEARTS・ユニコーン・ZIGGYなどが有名ですね。
8ビートを基調とした疾走感があるビートロック全盛期でした。
そこに元々ハードロックやへヴィメタル好きなメンバーが集まり、生まれたのがスピッツです。
パンクロックを掲げ意気揚々とメジャ-シーンに乗り込んだ彼ら。
デビュー当初から、数ヶ月スパンで新曲をリリースしていき、瞬く間にお茶の間を虜にしたのです。
そんなスピッツの「名前をつけてやる」は隠れた名曲といえる存在でしょう。
歌い方もスピッツらしく、アンニュイなニュアンスを出しつつコードもマイナーコードを多用します。
自分たちの源流であるパンクロックの面影を残しながら、はねるようなリズムでノリがよい仕上がりです。
まさにスピッツの原型のような曲とえいますね。
派手な衣装・激しいシャウト・テンポの速い曲が溢れている中、スピッツは異才を放つ存在でした。
ビートロック全盛の波を掻き分け、突き進み続け、自分のスタイルを守りながら躍動してきたのです。
草野正宗の言葉の裏にはなにがある
歌詞について、作詞した草野正宗が次のように述べています。
草野曰く「その辺の猫や草木に名前をつけてやると強がっている曲」。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/名前をつけてやる
歌詞をよくよく聴いてみると確かに強がっている印象はありますね。
ある失敗をしたことを隠すために、色んな言葉に書き換えてごまかしながら自嘲している青春の1ページ。
そんなことを表している印象です。
シンプルな言葉を使っていながらも独特な世界観を醸し出し、聴き手をスピッツワールドへ引き込んでいきます。
1つ1つの言葉の裏には何があるのか、実際の歌詞を引用しながら解説してきましょう。
これが正解であることは決してありません。
こういう捉え方もあるんだと思いながら読んでいただけたらと思います。
「名前をつけてやる」の歌詞を読み解く
大人へのステップ
名もない小さな街の 名もないぬかるんだ通りで
似た者同士が出会い くだらない駄ジャレを吐き笑った
出典: 名前をつけてやる/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
想像できるのは、まだあどけなさが残りながらも大人になりたいと思う仲の良い男女2人です。
学校終わりに駄ジャレを言いながら戯れている情景が浮かびます。
それは、普通にある場所で普通に繰り広げられている光景ではないでしょうか。
大人になるために捨てなければならないこと捨ててはならないことを伝えているようです。
この何気ない、でも貴重なんだという意味が込められた一節からこの曲は始まります。
変わってしまった2人の関係
ぼやけた雲の切れ間に なぜなのか安らぎ覚えて
まぬけなあくびの次に 目が覚めたら寒かった
出典: 名前をつけてやる/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗