孤独を知った才能人と
明日を選んだ メランコリー患者
戻れない僕にさようなら
指を咥えて 泣いても無駄だから
いつかまた
出典: ラストダンス/作詞:Eve 作曲:Eve
「孤独を知った才能人」というのは、再び夢を追うことに決めた自分のこと。
逆に「明日を選んだメランコリー患者」というのは、安パイを選んで夢を諦める自分のことでしょう。
「戻れない僕」というのは、どちらかは捨てなければいけないということ。
主人公がどちらを選んだのかというと、「いつかまた」と歌われているように、再び夢を追い掛ける方ではないでしょうか。
少女に説得され、本心と向き合った結果また主人公は夢を追うことに決めたのです。
間奏部分では指をファインダーに見立てて、心の中を覗き見るような描写もありましたね。
少女が少年の痛みを知っていたのは?
最終列車を待つわ
あなたの帰りはないけど
ここに居るべきではないこと
今全てを飲み込めやしないけど
遠くからみたら あなた幸せそうねでも
痛くて痛くて 全部知ってるから
出典: ラストダンス/作詞:Eve 作曲:Eve
この部分は夢へと再び歩み出した少年はもう振り返らないということを物語ります。
そして「ここに居るべきではない」と話す少女は、自分の役目はもう終わったとでも言うかのようです。
再び歩み出していった少年は幸せそうに見えるけど、それは痛みの上に成り立った幸せ。
それを少女が知っているのは、少年が夢を諦めようとしていたときにとことん向き合ったからでしょうか。
少女は少年自身だった
そう思っていたら、MVではこの部分で気になる描写が登場しましたね。
ここで少女の長い髪が抜け落ちて、少年と同じぐらいの長さの髪型に変わるのです。
これはきっと少年と少女が同一人物であることを物語るもの。
少女の正体は、夢を諦めようとする自分を必死に説得する少年自身だったのではないでしょうか。
つまり少年と少女のやり取りは、少年の心の中の葛藤を表したものだったということです。
少年の中に少女が居たから夢を叶えられた
そして僕ら逸話になって
今不確かな笑みを浮かべては
誰も知らなかった物語を今
君に話すから
出典: ラストダンス/作詞:Eve 作曲:Eve
最後に少年が逸話になったと言っているのは、自分に与えられた過酷な運命を乗り越えて夢を叶えたからでしょう。
「誰も知らなかった」というのは、普通なら諦めるような状況だったということ。
少年がそれを自分だけの話ではなく「僕ら」と言っているのが印象に残りますね。
これはこの夢が叶えられたのは、自分の中のあの少女が居たからこそだという気持ちを物語るもの。
あのとき説得してくれた彼女に「夢を叶えた」と報告したい。
そんな想いが感じられるこの部分で楽曲は締めくくられます。
運命を決定付けたのは黒幕ではなく、主人公自身
今回はEveの「ラストダンス」のMVと歌詞の解釈に挑戦しました。
4作品に共通して登場する黒幕に注目が集まりますが、彼は今回主人公の手助けをしただけ。
黒幕が鍵を握っていると言えばそうなのですが、運命を決定付けたのは主人公自身でした。
とは言えこれも一種の解釈に過ぎません。
「こういう考え方もあるのだなー」と、作品を楽しむのに役立てていただければ幸いです。
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