何も持っていなくても、そのすべてを差し出すような愛。

命すらも捧げて、ただ愛するエルのために生きていたいと願うオヴェス自身は、エルに何も求めたりしません。

普通なら愛したら、自分も相手に愛してもらいたいと思うもの。

でもオヴェスはそんなことは一言も口に出さず、ただ二人でいられることだけを願います。

求めたり、奪ったりするのではなく、相手に与える愛。

オヴェスがエルに捧げる愛は、そんな愛です。

これは運命?それとも奇跡?

いつか君の手を取りながら 眠りにつけるのなら
僕が今まで生きて来た日々 悪くないと思える 悪くないと思える

君がいるこの時代に 生まれた奇跡 運命ってあると思う?
君と生きるこの世界に 出逢えた奇跡 この手をとって 決して離さないで
君がいるこの時代に 生まれた奇跡 神様っていると思う?
君と歩いてく未来に 出逢えた奇跡 この手をとって 決して離さないで

エル おやすみ
そっとキスして
これから毎日一緒に同じ夢を見よう

出典: L-エル-/作詞:林保徳 作曲:林保徳

 辛いことがたくさんある人生も、エルと二人で過ぎすことができるようになるのなら。

どんな過去も、エルといることさえできれば昇華されてしまうほどにその日々は輝いているのでしょう。

地球の長い寿命かから、そして人類の歴史から考えても2人が生きている時代はほんの一瞬。

その同じ一瞬に存在していることを神に感謝しながら、またオヴェスが穏やかに眠るエルにそっと微笑みながら語りかけている姿が目に浮かぶようです。

「L-エル-」に見る究極の愛の世界

エルはこんなにも優しい愛に包まれて生きていくことができたのに、運命は皮肉にも彼女に悲運を運んできます。

この曲の後、表現される彼女の波乱の人生の悲愴さを、この曲の優しさがより一層際立たせているようです。

求めるばかりではなく、相手に与える愛。

それを表した「L-エル-」、この曲が訴える愛の姿こそが純粋な、そして究極の愛の形なのではないでしょうか。

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