しかしながら、主人公が受けた「屈辱」はいまいましくも、彼を突き動かすモチベーションにもなっていた様です。
そして、今の自分が抱いてる、誰にも語ること無いその夢、その先まで自らを高めようとしている彼の姿勢。
少しだけ彼の前向きさが垣間見られます。
あれ?曲のタイトルは…確か?
そして、主人公のメンタルはかなり高まって来たのか、桜井氏のハイトーン・ヴォイスと共にクライマックスを迎えます。
今日もまた見果てぬ夢が
僕を弄んで
深い深海に沈んだ希望をチラつかす
叶うならこのまま 夢のまんま
もう現実に引き返せなくたっていい
いつか新しい自分に出会えるまで
そうさ終らぬ夢のその先に
僕は手を伸ばす
出典: 「hypnosis」作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
自らが抱えたその「見果てぬ夢」は、やはり厳しい現実に弄ばれて手の届かない「深海」へ沈みこんだままの様です。
それでも、主人公はさらなる飛躍を遂げようとして「新しい自分」を出会うために手を伸ばします。
あれ??でも、この曲のタイトルは、確か「hypnosis」(催眠)だったはずじゃ....。
歌詞の流れから行くと、結局、夢に埋没するのではなくて、その為に「覚醒」するんだ、ってことですか?催眠術が解けるように。
ありゃー、この曲は「直球勝負」かと最初思ったのに、手元で大きくカーブして来ました。くそっ!また空振りだ!
「hypnosis」PV
久しぶりに、メンバー全員集合で演奏が観れるPV
それでは、何だかちょっとすっきりしませんが、「hipnosis」のPVのご紹介を...。
15thアルバム「SUPERMARKET FANTASY」に収録されている『エソラ』以来、久しぶりにメンバー全員出演での演奏を観ることが出来ます。桜井さんも元気一杯にパフォーマンスしています。
PVは荒涼とした砂漠で、あたかも巫女舞(みこまい)を踊る白装束の長い髪の女性と、同じ衣装を身に纏った女性たちのストリングス・オーケストラが出演し、踊る女性の後ろでメンバーは演奏をしています。
桜井的宗教観の発露ともいうべき内容で、極めて秀作だと思います。しかし残念ながらYouTubeで視聴出来るのは、現在では約2分半のショートVer.のみのようです。
完全版を視聴したい方は「(an imitation)blood orange 」デラックス版のカップリングDVDをご覧ください。
「hypnosis」ご紹介/終わりに
ミスチルの楽曲っていうのは、そのエッジ(強み)が「素材の新鮮さ」にあると僕は感じてます。
つまりそれは「メロディそのものの良さ」であるし、とてもオーソドックスで過度な装飾を施してない、いわば「鯛の生け造り」のような料理人の捌き方の如くです。
そして、味わい方は聴き手の味付けに任せているような、そんなイメージを持っています。
しかし、歌詞については「シーソーゲーム」や「名もなき歌」等、言葉遊びやダブルミーニング(二重の意味)を使用して、時に随分と巧妙に凝っています。
これが「桜井マジック」の妙であり、1992年のメジャーデビュー以来、約四半世紀も日本のミュージックシーンの、トップを走るグループたる所以なのでしょうね。
それでは、ありがとうございます。またお会いしましょう。
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