女王蜂【催眠術】歌詞の意味を独自解説！催眠術の正体は"お酒"？！一夜の幻想が楽しくて悲しい…！

自分の思いを「カンニング」して欲しいと望んでいます。

心を「読んで」ではなく「カンニング」つまり盗み見て欲しいという表現。

このことから、今抱いている思いは決して綺麗なものではなく、「下心」に近いのでしょう。

自分の邪な考えは、ここぞというタイミングで盗み見てもらわなければ意味がないようです。

「考えていること、分かるでしょ？空気読んでね」

このようなイメージでしょうか。

炎症を鎮めるために行われるアイシング。これを忘れるとは、どういう意味なのでしょうか。

まず一つとして考えられるのは、酔いを冷まし忘れるということです。

酔っていても、冷たい空気に触れれば少しはクールダウンできるかもしれません。

しかし、それすら忘れてしまうぐらいに酔っ払っている、ということです。

もしかすると「忘れてしまう」のではなく、あえて「忘れる」のかもしれませんね。

もっと、ずっと狂っていたいから、クールダウンは忘れたことにする、という意味です。

もう一つ考えられるのは、痛みを感じない状態にあるということ。

たとえば心に傷を負った主人公が、それを癒やすためにお酒を飲んでいたケースを考えてみましょう。

痛みを和らげるためのお酒だったのに、和らげるどころか痛みを感じなくなるほど酔ってしまったのです。

痛みがなければアイシングは必要ありませんし、アイシングのことなど忘れてしまうでしょう。

痛みを忘れた今、クールダウンせずにこのまま狂っていたい主人公。

「不快」は失われて「快」ばかりの時間が続いていきます。

感覚が奪われつつあり、何もかもが心地よく思えてきます。

そしてまた誰かに、自分の気持ちをタイミングよく察して欲しいと願います。

しっかり酔っている今こそが、チャンスなのです。

徐々に落ちていくものは気分ではなく、分別や善悪、貞操観念です。

酔いすぎて、感じるのは「快」ばかり。何を選んだって誰を選んだって「快」しかありません。

そんな中、目にとまった「きみ」という存在。

お酒を飲みつつ会話でもしていたのでしょうか、次第に「きみ」に飲み込まれていきます。

この状況を「イリュージョン」と表現していますが、イリュージョンには必ず仕掛けがあるのです。

ただの「幻覚」や「幻想」などで表現せず、仕掛けのある「イリュージョン」を用いたことに大きな意味があります。

つまり、「きみ」に飲み込まれていくのは、お酒の酔い以外の何らかの仕掛け＝理由があるということ。

酔っていながらも、頭の片隅で気づいているのですね。

出だしと同じ問いかけと回答。

しかし最後が「試してみる？」と誘う言葉に変わりました。

大勢がお酒を飲んで、心地よく過ごしている空間が想像できます。

クラブやバーなどですね。

楽しいイリュージョンに飲み込まれていく主人公を、じっと見ている誰か。

その人に向けてグラスを掲げ、「あなたもどう？」と誘っているのではないでしょうか。

ここで強引に引き込まないのは、イリュージョンには仕掛けがあると分かっているからなのです。

全力でオススメできるわけではないということですね。

酔い切れていないからこそ抱えていられる下心。

本当に冷静になったとき、待っていたのは孤独でした。

手元のグラスに注がれたお酒をぐっと飲み干し、「これでストップ」にもできる状態です。

しかしもう一杯手にとることも可能で、「さていつまで飲もうか」と考えています。

次の一杯に移るかどうか、自分一人で考えているのではない模様。

もう一杯飲むか、これで終わりにしてどこかへ行こうか。そんな駆け引きをしているようです。

もちろん相手は「きみ」なのでしょう。

そんな駆け引きの最中、「次は何飲むの？」なんていう問いがどこからか聞こえてきます。

「タイミングよくカンニングして」と願っていましたが、今こそがタイミングかもしれません！

駆け引きの結果、最後のアルコールを飲み干して場所を移しました。

無意識の自分が、シーツのかかったベッドに飛び込みます。

「これは催眠術」とまるで自分に言い聞かせているように感じますが、いかがでしょうか。