好き過ぎてつい歯を起てる
そんな如何仕様も無さ添えも 愛して下さい
(※くりかえし)
出典: 吾輩は猫である/作詞:熊谷和海 作曲:熊谷和海
「歯を起てる」と聞くと"相手のことを嫌っている"と思いがちですが、猫の場合はそうとも限りません。
嫌悪感から噛むケースもありますが、楽しくてテンションが上がっている時も噛んでしまうものです。
例えば、大好きなおもちゃを見つけた時にガブガブと勢いよく噛みつくのはよくあること。
この猫の場合は飼い主に対する「好き」という気持ちが強すぎて、つい噛んでしまうのでしょう。
「如何仕様も無さ添えも」とは「どうしようもなささえも」と読みます。
ここの部分も漢字を多くすることによって、古風な雰囲気を感じられますね。
勢い余って飼い主を噛むという欠点もあるけど、そんな部分も許してほしいと素直にいっています。
恐らくですが、きっと猫を大事にする優しい飼い主なので、この猫の気持ちは伝わっているでしょう。
2番~ラストの歌詞
飼い主に恩返ししようとしている
当たり前だけれど 人間の言葉は得意じゃない
口先だけで何とでも 言えちゃう気がしてさ
だから生き様で 君を勇気付けたい
捨て猫だった吾輩の恩返しさ
出典: 吾輩は猫である/作詞:熊谷和海 作曲:熊谷和海
1番の歌詞では、飼い主への感謝の気持ちが綴られていました。
そして2番に入ると、今度は恩返しをするための具体的な行動が綴られています。
恩返しするといっても、猫だから言葉で感謝を伝えることはできません。
そこで、この猫が選んだのは「生き様で君を勇気付けたい」という手段。
なんともカッコよくて素晴らしい手段ですね。
また、この猫がここまで飼い主に対して感謝している理由についても綴られています。
この猫はもともと捨てられていた猫。
今の飼い主に拾われていなかったら、そのまま行き倒れて死んでいたかもしれません。
だからこの猫にとって飼い主は命の恩人なのでしょう。
"猫あるある"な行動の裏に隠されたメッセージ
壁に打つかりゃ爪を研ぐ 着地点等見ず跳ぶ
「らしく」生きていこう
出典: 吾輩は猫である/作詞:熊谷和海 作曲:熊谷和海
壁で爪を研いでいたり、思わず場所にジャンプしたり…。
猫を飼っている人は見慣れている"猫あるある"な行動ですね。
でもこんな無意味に思える行動も、実は自分の生き様を飼い主に見せるためにやっているのかも…!?
そんな風に思えてくる素敵な歌詞だなと感じられます。
飼い主を励ます猫
吾輩は猫である その衝動を君に見せるよ
君が人間である そのプライドをどうか見せてよ
出典: 吾輩は猫である/作詞:熊谷和海 作曲:熊谷和海
自分の生き様を見せることによって、飼い主を応援する猫。
"衝動的に動いているのにも意味があるんだよ"というメッセージが込められていますね。
そして、飼い主に「プライドをどうか見せてよ」と語りかけています。
プライドが打ち砕かれて自信をなくしてしまった飼い主を強く励ましているのでしょう。
猫を飼っていない人でもジーンとすることのできる素敵な言葉ですね。
猫と飼い主の関係性
戀人でもあり 友達でもある
主従関係も曖昧で 分からぬ様な
出典: 吾輩は猫である/作詞:熊谷和海 作曲:熊谷和海
「戀人」とは恋人のことを指す言葉です。
この猫にとって飼い主は言葉で言い表すことが難しい存在なのでしょう。
恋人や友達のように近しい存在ではあるものの、それとはまたちょっと違う関係にあります。
また、猫は犬と違って飼い主に服従する気持ちが薄い生き物です。
自由気ままにふるまうことを本能的に好む生き物なので「主従関係も曖昧」といっています。
猫によってはもしかしたら「飼い主よりも自分が上」と思っているケースもありそうですね。
穏やかだけど切ない飼い主との関係
保証された様で 儚くもある
そんな君との関係に 名前は要らない
(※くりかえし)
要らない。
出典: 吾輩は猫である/作詞:熊谷和海 作曲:熊谷和海
野良猫と違って、飼い猫には食べ物や住む場所の保証があります。
しかし、どんなに大切に飼われていたとしてもいつかは死別する日がやってくるのです。
この部分の歌詞では、生活の保証と死別について歌っていることが分かります。
そして、穏やかでちょっぴり切ない猫と飼い主の関係性について「名前は要らない」といっているのです。
名前に縛られるような単純な関係ではないということが伝わってきますね。