ちあきなおみってどんな歌手?
女優としても活躍した日本を代表する偉大な歌手「ちあきなおみ」。彼女の深みのあるハスキーな声と高い歌唱力は、聴く人の心を震わせる力強さがあります。
彼女は数々の名曲を歌ってきました。その中で、まず聴いていただきたいオススメの1曲をあげるのであれば、やはり『喝采』でしょう。
ちあきなおみの歌をまだ聴いたことがないという方は、この機会にぜひ聴いてみてくださいね。
しかし、残念なことに彼女は1992年に夫の郷鍈治が亡くなったことをきっかけに、それ以降は芸能活動は行っていません。
ちあきなおみは根強い人気があり、20年以上経った現在でも復活を期待するファンも多いです。
彼女は明確に引退宣言をしたわけではないので、復活する可能性は0ではありません。往年のファンが彼女の歌声を待ち焦がれてしまう気持ちもよくわかります。
活動休止後もベストアルバムやライブ盤が何枚も発売されていることからも、彼女が色褪せることのない魅力を持っていることがよくわかるのではないでしょうか。
『紅い花』について
まず、ちあきなおみの楽曲である『紅い花』の概要や収録CDについて紹介します。『紅い花』がどのような曲なのか、ざっくり把握しましょう。
現時点でのラストシングル
そんな彼女が1991年10月にリリースしたシングルが『紅い花』です。
上記の通り、ちあきなおみは1992年に活動を休止したため、このシングルが現時点でのラストシングルとなっています。
哀愁を感じる低音の効いた歌声と昔の愛を思い出すような切ない歌詞の組み合わせがたまらない名曲です。
1995年に映画『GONIN』の主題歌に使われ、シングルとして再度リリースされました。
この映画がきっかけでちあきなおみに興味を持ったという方も多いのではないでしょうか。
収録されたCDは?
『紅い花』は、1991年にテイチクから発売されたオリジナルアルバム『百花繚乱』に収録されています。
その抜群の歌唱力と表情豊かな歌声に圧倒される素晴らしいアルバムです。
この曲は、ベストアルバム『ほのぼのと、切なさと、懐かしさと、ちあきなおみの "黄昏のビギン" はあなたの恋する勇気をサポートします。』にも収録。
コロムビアとテイチクが共同で企画したベストアルバムなので、『紅い花』もしっかり収められています。
『紅い花』は、この他のベストアルバムにはあまり収録されていないようです。映画の主題歌にもなった人気曲なので、意外な気がしますよね。
彼女はさまざまなレーベルからCDをリリースしていますので、権利関係の問題もあるのかもしれません。
ご紹介したベストアルバムは代表曲や貴重な音源も収められています。
そのため、ちあきなおみの入門盤としてだけでなく、コアなファンの方も楽しめるオススメのベストアルバムです。
同時発売された『ちあきなおみの喝采 おぼえてますか、1972年の大晦日に見せた“伝説の歌唱シーン"…。今こそ、ソロヴォーカルの神髄を!』。
このアルバムと合わせて聴けば、彼女の代表曲・人気曲をほぼすべて聴くことができますよ。そこから、気になった曲を掘り下げていっても面白いですね。
歌詞の意味を考察
次に、『紅い花』の大人の孤独やさみしさを感じさせる歌詞の意味を考察していきます。
『紅い花』に捧げた愛
昨日の夢を 追いかけて
今夜もひとりざわめきに遊ぶ
昔の自分が なつかしくなり
酒をあおる
騒いで飲んで いるうちに
こんなにはやく時は過ぎるのか
琥珀のグラスに浮かんで消える
虹色の夢
出典: 紅い花/作詞:松原史明 作曲:杉本真人
「昨日の夢」とはいなくなってしまった恋人との愛のことでしょう。サビの歌詞まで見ると、それがよくわかります。
心の穴を埋めるためにざわめく酒場に足を運びます。今はあまりお酒は飲まないのかもしれません。
しかし、「昔の自分」はお酒をあおるように飲んでいたのでしょう。久しぶりに飲むとあっという間に時間が過ぎたと感じています。
「1杯だけ飲みに行こう」と言ったのに、飲み始めたら時間が経つことを忘れてしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。
お酒は体感する時の流れを変化させるのかもしれませんね。
「琥珀のグラス」は、ウイスキーやバーボンなどが注がれていることを連想させます。そのグラスに反射する光とともに、過去の「虹色の夢」を思い出したのでしょう。
紅い花
想いを込めて ささげた恋唄
あの日 あの頃は 今どこに
いつか消えた 夢ひとつ
出典: 紅い花/作詞:松原史明 作曲:杉本真人