KANA-BOON【湯気】MVを考察！鍋に入れるのは…忘れられない思い出？湯気で曇ったメガネが切ない

大人になった彼は母親と同じように眼鏡をかけています。

しかも鍋料理を作っている最中に眼鏡が曇ってしまうところまで同じ。

やっぱり親子なんだなあと、微笑ましい気持ちになりますね。

彼は恐らく1人暮らしをしているのでしょう。

鍋も1人分しか作っていません。

机の上に置いたカセットコンロと鍋。

彼はそこに食材を入れていきますが、サボテンの鉢植えや腕時計まで入れてしまいます。

あれ？こんなシーン、さっきも見たような……。

彼は母親がした失敗と同じ失敗をしていますね。

原因はもちろん、湯気で眼鏡が曇ったから。

彼はいつ自分の失敗に気付くでしょうか？

そして気付いたとき、母親のことを思い出すのでしょうか？

でも彼の部屋に、失敗を笑い合える家族はいません。

微笑ましくも切ないシーンですね。

彼は鍋料理を作っている最中、指を火傷してしまいました。

絆創膏を探して机の引き出しを漁ると、そこには見覚えのない小箱が……。

MVを冒頭の映像まで戻すと分かりますが、この小箱は子供の頃の彼が持っていたものですね。

彼はこの小箱に大切な飛行機のおもちゃをしまっていたようです。

大人になった彼が小箱を開けてみると、そこには……。

小箱にしまわれていたのは、子供の頃の彼と母親の写真。

そして飛行機のおもちゃがありました。

大人になった彼は、飛行機のおもちゃを懐かしそうに眺めます。

そのときも眼鏡は曇ったまま。

彼の目に飛行機のおもちゃは、どんなふうに映ったのでしょうか？

曇ったレンズを通して、思い出にも似た幻を見たのかもしれません。

MVの最後は、大人になった彼と子供の頃の彼、そして母親が勢ぞろいします。

このシーンは恐らく大人の彼が見ている幻なのでしょう。

そしてその幻は、湯気のように呆気なく消えてしまいました。

大人の彼の部屋に集まった3人は、何やら変わったダンスを披露しています。

最初は大人の彼が1人で湯気を表現するようなダンスを披露。

そこに子供の彼と母親が加わり、今度は飛行機の真似をしたダンスを3人で披露します。

このシーンで注目したいのは、3人の服装と天井にぶら下げられた偽物の雲。

母親が被っている白クマの帽子は、子供の彼が持っていた白クマの人形とよく似ています。

また大人の彼と子供の彼が、代わる代わるパイロットの格好をしていますね。

彼らが身につけているのはすべて思い出。

天井からぶら下がる偽物の雲も、子供の彼がお風呂場で作った泡の雲です。

大人の彼が曇ったレンズを通して見たもの。

それは思い出であり、幻でした。

最後に1人になった彼が、キョロキョロと周りを見渡すのが切ないですね。

しかし子供の頃の思い出が蘇り、彼の心は少しだけ温かくなったはずです。

子供の頃に自分を包み込んでくれていたぬくもり。

大人になると、それと同じぬくもりはもう与えられないのかもしれません。

しかし、そのぬくもりを誰かに与えることはできるはずです。

このMVに登場した大人の彼。

彼も今は1人でも、これからきっと大切な人と出会うでしょう。

そのとき彼は、子供の頃に母親から与えられたぬくもりを、その人に与えることができます。

そうやって愛情は続いていく。

愛しい時間が思い出になっていくのは切ないですが、その思い出が消えることはありません。

人はみんな、大切な思い出と共に生きていくのでしょうね。

『湯気』と同じように、少しだけ切なくなるおすすめのMVを紹介します。

KANA-BOONのMVは、思わず見入ってしまう作品ばかりです。

『涙』のMVに出演しているのは女優の山田杏奈さん。

MVの内容は、お別れすることになった恋人と最後のデートをするというもの。

ラストシーンで見せる山田杏奈さんの遠くを見つめる表情が切なくてキュンとなります。