1番では「生か死か」、「やるからやられるか」というような野性的な感じがありました。
しかし、2番では少し様子が変ります
「道(どう)」
勝ち負けあるなんてそれじゃ道じゃねぇ
自分(てめぇ)と闘うのが仁義と義
錦飾るために飛び出た街 意識的に真ん中歩く足
天下取りの刺青入れた意志 喧嘩負けた朝が卒業式
拳をペンに変えて戦うダチ 拳とケリのアートを極める道
出典: Born to be WILD/作詞:湘南乃風 作曲:湘南乃風
先ほどは容赦なくたたきのめすような勢いでしたが、勝負にこだわるのは「道(どう)」ではない…。
※歌詞は「みち」と歌っています。
戦うべき相手は、自分自身だというのです。
ちなみに、似たような言葉が2つ並んでしいますが、違いがあります。
- 仁義:道徳上守るべき道筋
- 義:道理
どちらも精神的な内容ですが、行動規範と習慣(当たり前にすること)という感じでしょうか。
しかし、ここでかつての「チンピラ」精神も垣間見えてきます。
「天下を取る」と息巻いて飛び出した街に帰ってきた「豹」。
以前と違う雰囲気に気圧されることのないように、堂々と道の中央を歩きます。
「ここは自分の街だ」と周囲に誇示するように歩くのです。
「豹」が街を出たとき、自分に立てた誓いを「刺青」として体に刻んでいました。
「天下を取る。」
もし果たせなかったら…それはおそらく「人生を卒業する日」のつもりだったのしょう。
では、何をもって「天下を取った」といえるのでしょうか?
「豹」の友人は拳ではなく言論で戦うことにしました。
「豹」の目標は「みずからの戦闘のスタイル」すなわちパンチとキックを芸術の領域まで高めること。
そのためにも、行動規範と道理が通る生活を続けていかなければならないのです。
感情のままに暴力を振るったり、あるいは暴力におびえる…これではいけません。
いかなる暴力に対しても、毅然とした態度をとることが「道」なのです。
場面転換
硬き拳にぎり 夢のリング上がりに
血と汗が物語るぜ 下手な口の変わりに
叩き込むぜ 明日を変える闘志燃える我が身
腹を決めた先に見える光 俺を高みに
何があろうが負けない この言葉曲げない
不完全じゃ止めない 決してサジは投げない
我武者羅な馬鹿野郎が無我夢中で掴むチャンスを
鼻で笑うボケ 今に見とけ
出典: Born to be WILD/作詞:湘南乃風 作曲:湘南乃風
雰囲気が変った理由がわかりました。
1番の舞台は「ストリート」でしたが、2番の舞台は「リング」。
つまり、単なる喧嘩ではなく「試合」なのです。
であるならば、先ほどの歌詞も納得です。
「豹」は本能のままに生きる猛獣ではなく、理性のある人間として戦いに臨みます。
言論を武器にした友人とは違い「拳で語る」のが「豹」のスタイル。
同じ殴り合いでも「負ければ死」という状況と「勝ち負けではない」では大きく違いますね。
しかし、その戦いに挑む「豹」の信念は変りません。
「必勝」
「あきらめない」
このように不器用な生き方をする「豹」を馬鹿にする人も、なかにはいることでしょう。
そんな人物に対して「見返してやる」というつぶやきには闘志がみなぎっています。
挑発
どんなもんだこんなもんじゃねぇ
本気なった豹が On the way
出典: Born to be WILD/作詞:湘南乃風 作曲:湘南乃風
同じ歌詞が3度目の登場ですがこれも意味が変ってきます。
これは、自分のことを馬鹿にしてきた相手にたいする挑発の言葉なのです。
文句あっか? Don't give up!!
Because we are Born to be WILD!!(Wild!!)
進化すんぜこんなもんじゃねぇ
牙を磨いだ豹が On the way
闇に光る本能
Because we are Born to be WILD!!(Wild!!)
出典: Born to be WILD/作詞:湘南乃風 作曲:湘南乃風
煽ってくる相手に対して、同じように煽り返す「豹」。
爆発寸前のギリギリの感情で、今いる「場」をヒートアップさせていきます。
怒りの表情を隠さない「豹」の顔が、暗闇の中で浮かびあがるのでした。
雄叫び
孤高の戦士 前進(Wii)
特攻だ全員 前進(Wii)
勇敢な精神 前進(Wii)
正義は俺達の手に(Wii)
全身に誇りを賭けた(Wii)
戦死する覚悟さ我等(Wii)
前人未到へ吹く風だ(Wii)
ステージで天下取るだけだ!!(Wii)
龍が舞う!
出典: Born to be WILD/作詞:湘南乃風 作曲:湘南乃風
この部分は戦いを挑む者が、自分を鼓舞するために発する「雄叫び」といえます。
そして舞台はリングから、文字通りの「舞台」、すなわちステージへ切り替わりました。
鮮やかなステップ、繰り出される手足。
これらはすべて「舞」。
ステージで見せる龍の華麗な動きなのです。