歌詞を読み解く~2番~
深い愛ゆえの辛さを描く
握る手の平はいつもよりほんの少し冷たく 掻き乱された想いは熱く
冷静な振りをするあたしをあなたは見透かす その優しさも時には罪ね
出典: くちづけ/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊
1番で描かれていたシーンから、少しだけ時間が進んだのでしょうか。
悲しみで溢れた心の痛みはまだまだ続いているものの、相手を気遣ってか、主人公は冷静を装っているようです。
しかし、そこは愛し愛された者同士。
相手の表情や仕草から、無理をしているのが嫌というほど分かってしまう。
ここでも、2人の愛の深さが伝わってきます。
夢でも良いから…
「夢の中で逢える」信じるあたしの思いは虚しさを誘うだけ
いつも愛してると誓った あなたの言葉に曇りはなかった
出典: くちづけ/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊
相手の心が離れたと知り、主人公は現実から目を逸らそうと過去に想いを馳せます。
「夢の中なら、私を想ってくれていた頃のあなたに会える」と考えている所に、相手への未練が滲み出ています。
むしろ、「想ってくれていなくても良いから、夢でも会いたい」という心境なのかもしれません。
でも、それが「虚しい」ことだと、主人公も気付いているのですね。
どうにもならない感情に振り回される自分と、それを客観的に見つめるもう1人の自分。
別れに直面した際の複雑な心の動きを、少ない言葉で言い表している歌詞です。
次に進むための「くちづけ」
あの日の記憶も消えてしまうでしょうか
傷のない恋などないのでしょうか
壊れた恋は偽物だったでしょうか 何よりそれも一つの愛なのでしょう
一度だけ くちづけて 最後まで くちづけて
あたしはあなたの胸の中に小さく埋もり 絶えることない涙を知る
出典: くちづけ/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊
実らなかった恋に、意味はあるのか?
失恋を経験した人ならば、誰しもが1度は考えるテーマではないでしょうか。
どれだけ強く想い合っていてもそれは一時のことで、最後にはそれが全て傷となって終わってしまうのだろうか…と。
しかし、この主人公はさまざまな想いを巡らせた結果、「それも一つの愛」だという結論にたどり着きました。
まだまだ傷は癒えていませんが、そう認められたことで、次に進む一歩を踏み出したように感じられます。
この「くちづけ」には、恋を終えるための儀式のような意味合いも込められているのかもしれませんね。
バンドマンの方々はコード譜もチェック!
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「くちづけ」はもう何度歌ったか分からないほど歌いました。
それと同じように、ギターを演奏されている方であれば「弾いてみたい!」と思うはず!
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「くちづけ」が好きな方にはこの曲もおすすめ!
いきものがかりは、楽曲のバリエーションも魅力の1つと言えるでしょう。
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「ブルーバード」「HANABI」などの疾走感があるかっこいい曲。
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