「マイサンシャインストーリー」を読み解く
誰もが一度は耳にしたCMソング
2013年7月24日発表、いきものがかりのメジャー通算6作目のアルバム「I」。
このアルバムに収録された楽曲「マイサンシャインストーリー」に注目しましょう。
アップテンポなポップ・ソングでどこまでもいきものがかりの魅力が詰まっています。
歌詞は太陽の光=サンシャインを基軸にしてあふれる恋心を歌い上げているのです。
非常に情報量が多い歌詞ですので丁寧に紐解いていきましょう。
僕と君のふたりの恋の物語。
明るい陽射しの中で繰り広げられる様々な出来事。
恋がもたらしてくれる喜びを詰め込んだ歌詞を読み解く中で恋愛の大切さに目を啓ければ嬉しいです。
日産の自動車「セレナ」のCMソングでしたので耳にしたことがある方も多いはず。
いきものがかりの魅力が詰まった「マイサンシャインストーリー」を解剖します。
それでは実際の歌詞を見ていきましょう。
太陽の覚醒めとともに
希望が裏切られない歌詞
太陽が目覚める いつもの毎日の中で
揺れて揺れて煌めく世界をまた始める そんな旅立ちを誓うよ
出典: マイサンシャインストーリー/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊
歌い出しです。
中々、不思議な言葉遣いですので丁寧に読んでいきましょう。
私たちは太陽の光で日々覚醒めますが、山下穂尊は太陽が目を覚ますと描きます。
太陽が覚醒めるとともに世界に光があふれるのです。
その光を浴びて輝き出す世界を再び謳歌するように新しい旅立ちをします。
太陽の光もひとつのテーマですが、旅というキーワードも大事なものです。
全体に希望があふれるトーンで始まるこの曲。
その印象が最後まで裏切られることなく続く辺りがいきものがかりの楽曲らしいです。
果たしてこの先どのようなドラマが待っているのでしょうか。
風景の「音」を聴く
歩き旅のような人生
歩き出す度また高鳴る胸を信じよう
微かに聞こえたのは季節を彩る音 溢れ出すマイサンシャインストーリー
重なり合う季節が僕の物語を繋ぐ
ふとした時に気づく香りがこの胸満たしてく
出典: マイサンシャインストーリー/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊
僕によるこの旅は歩き旅のようです。
歩き旅で感じる一歩一歩ゆくごとの気分の高揚を信じて旅を進めます。
歩き旅の利点は道すがら様々な景色や自然の営みを五感で直に感じ取れることです。
あくまでも自分のスピードで旅をコントロールできる。
実際にこの旅は直喩ではありません。
単なる旅の歌ではなく例えられたものは人生や生活でしょう。
様々な季節を通り過ぎてゆきます。
その際に季節ごとに変わってゆく人生や生活の風景に耳を傾けるのです。
山下穂尊はその風景を「音」に注目してクローズアップします。
この点に彼の音楽家としての矜持が覗けるでしょう。
タイトル回収がなされます。
「マイサンシャインストーリー」
僕の陽射しの物語とは何のことなのか。
やはりいつも陽射しの中にあるような恵まれた人生や生活を歌っています。
季節は通り過ぎゆきますがいつも陽当り良好な世界の中で僕は人生を楽しむのです。
誰もがうらやむような人生のあり方。
生活の充実を第一に考えて生きている僕の姿に共感します。
自然との関わりの中で五感を研ぎ澄ませて摂取するエネルギーをいただいて僕の生活はさらに充実するのです。
夢を羅針盤にして歩こう
光の導きのイメージ
見上げた空に手をかざして 眩しくたって震えるこの夢に正直になることしかできないもん そうだよいつも
風の道見上げたら 光の世界に包まれていって瞼閉じたんだ そこから歩き出すよ
出典: マイサンシャインストーリー/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊
夢に向かって邁進する決意が歌われています。
どんなに恵まれた状況であってもさらに上を目指してゆこうという志がなければ生活のハリもなくなる。
いつだって夢を羅針盤にして人生や生活の道筋を歩いていきたいものです。
僕はおそらく夢に自身の存在意義を重く見つめているはずでしょう。
夢がなければ自分の人生とはいえないという気持ちがうかがえます。
「マイサンシャインストーリー」ではいつだってこうした描写の際に現れるのが光や陽射しです。
光の中を歩いてゆくイメージの中で人生を見つめられるということ自体が恵まれたこと。
山下穂尊は宗教家ではないのですが「ガイディング・ライト」、光の導きのイメージを大事にします。
人生の進むべき道を照らす「ガイディング・ライト」、それがこの曲の歌詞で太陽が果たす役割です。
陽射しの中を求道者のように歩いてゆくイメージ。
人生をポジティブな方向へ転換するためにも太陽の陽射しはとても大事なモチーフになります。