幻
幻感じている 舞台の上
出典: 縦書きの雨 feat.中納良恵/作詞:Atsushi Yanaka 作曲:Tsuyoshi Kawakami
主人公は雨の降りしきる舞台に立ち、拍手喝采の幻を見ています。
そう、彼女は決して倒錯しているわけではありません。
それが虚しい幻だと分かっているのです。
果たして彼女は、新しい道を進めるのでしょうか。
結局主人公はどうなるのか
さて、ふとした瞬間に過去の栄光を思い出してしまった主人公。
彼女はそのまま打ちひしがれてしまうのでしょうか。
その答えはMVにあります。
MVの最初には、スーツケースを持って立ち止まる中納氏演じる主人公の姿が描かれます。
歌が始まると、通常の演奏シーンとは別にスクリーン内に映る彼女とスカパラの姿が登場します。
そして最後、スーツケースを持った彼女は一人、歩いて画面からフェードアウトするのです。
ポイントはその後です。
スカパラのメンバーが立ち去る姿が映るのですが、その映像が映画のようなタッチになっています。
つまり設定として、スカパラは映画の中の登場人物。
中納氏は映画と現実の狭間で幻を見ていた人物なのです。
そして最終的にスカパラのメンバーと別々に歩み出す姿は、彼女が現実を歩み出したことを示唆しています。
過去と完全に決別することは出来なかったのかもしれません。
しかしそれでも、主人公は新たな一歩を踏み出したわけですね。
終わりに
初めの方にも書きましたが、本楽曲の歌詞は様々な受け取り方が出来るものだと思います。
夢叶わなかった主人公とも取れますし、映画のような大失恋を描いたともとれる歌詞です。
今回ご紹介した解釈はあくまでも一例です。
谷中氏の書く歌詞は非常に文学的で哲学的なので、人によって感じ方が変わると思います。
音楽は受け取る人によって感じ方が違うものです。
今回の記事が、皆様が歌詞を読み取る時の一助になればと考えています。
是非、自分だけの「縦書きの雨」を見つけてください。
最後にEGO-WRAPPIN'や東京スカパラダイスオーケストラの別記事をご紹介します。
ぜひあわせてお読みください。
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