36thシングル【薔薇と太陽】
KinKi Kids20周年第1弾シングル
今回ご紹介するのはKinKi Kidsの36thシングル【薔薇と太陽】です。
デビュー20周年の記念すべき第1弾シングルとしてリリースされ、オリコンチャート1位を獲得。
デビューシングル【硝子の少年】から36作連続1位を記録し、衰えることのない人気を知らしめています。
情熱的で異国情緒を感じるリズムとノスタルジックに響くホーンセクション、哀愁を誘うストリングス。
女性ダンサーを引き連れて、華麗に歌い舞う光一。
静と動を思わせる構成からも二人の対比と融合が美しく、KinKi Kidsの二人にしか表現できない世界観を存分に味わうことができます。
KinKi Kidsのアーティストとしての新たな一面、そしてその実力に魅せられる1曲といえるでしょう。
最後の最後まで気の抜けない展開も必聴です。
そんな【薔薇と太陽】、歌詞を見ていく前に注目ポイントをご紹介していきます。
俳優・斎藤工によるジャケ写
【薔薇と太陽】のジャケ写は俳優・斎藤工によって撮影されたことも話題となりました。
KinKi Kidsの番組で共演し、ロケ中に撮影した写真がなんとそのままジャケ写に使われているのです。
【薔薇と太陽】は初回限定盤2種類と通常盤がリリースされていますが、すべてそのとき撮った写真が採用されています。
不思議な縁とタイミングが感じられるエピソードです。
自然体な二人の表情も【薔薇と太陽】という作品をより印象深く刻みこむひとつの要素になっています。
THE YELLOW MONKEY吉井和哉による楽曲提供
今作で注目すべき大きなポイント、それは作詞作曲者であるTHE YELLOW MONKEYのボーカル吉井和哉の存在です。
妖艶かつ憂いを帯びた歌詞が吉井独特の表現で綴られています。
KinKi KidsとTHE YELLOW MONKEY、双方に共通する歌謡曲の要素が溶け込んだ世界に酔いしれるでしょう。
それぞれのファンのみならず、音楽ファンをも唸らせる名曲に仕上がっているといっても過言ではありません。
また吉井は音源でコーラスも担当しており、妖しく甘美な世界観を一層醸し出しています。
以前KinKi Kidsの番組に出演した際、彼らのプロデュースを熱望していた吉井。
【薔薇と太陽】で月日が流れ実現することになり、こちらも運命的な巡りあわせを感じます。
テーマは大人になった【硝子の少年】
【薔薇と太陽】のテーマは大人になった【硝子の少年】。
歌詞の中にはKinKi Kidsのデビュー作【硝子の少年】を連想させるワードも散りばめられています。
自分から遠ざかってしまった恋人に傷つけられた少年は、大人に成長しどんな恋愛を経験していくのでしょうか。
【硝子の少年】の欠片を感じながら、大人の男性になった彼らから映しだされる【薔薇と太陽】の世界を覗いていきましょう。
真っ赤な愛を燃やして
太陽が潜むうちに
暮れゆく灼熱の影 カルメンのような眼差し
首筋に光る汗は 命の白のシャルドネ
コルクを抜いてしまえば「死んでもいい」という名の
カーニバルの入り口へ 僕の手を取り招いた
ザクロの色の彼方へ
出典: 薔薇と太陽/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
太陽が気配を潜めた頃、ひとつの激しい愛がはじまろうとしています。
男が出会ったのは、激しい愛に身を焦がしその愛で自らの身を滅ぼしていったカルメンのように危険な美しさを感じる女。
一瞬の欲望に誘われ、迷い込んだのは耽美に彩られた空間でした。
男を惑わせるような赤は、繊細な輝きを放つ白とのコントラストで一層色濃く感じられます。
導かれた情熱的な愛の世界への入り口、一度踏み込んでしまえば振り返ることはないのでしょう。
むしろ男に引き返す選択肢はないのです。