キベリタテハからコノハチョウに種類が変更された理由は二点あります。
二点とも、蝶のモチーフに“ぼく”としてのアイデンティティを持たせたかったのだとの推察です。
一点目に、コノハチョウは、沖縄の指定天然記念物として知られています。
“ぼく”をコノハチョウだとすると、“きみ”=“サンシャイン”を愛す“ぼく”も、光の当たる貴重な存在なのです。
二点目に、コノハチョウは羽根の裏が枯葉のような色になっており、隠蔽擬態する昆虫として知られています。
隠蔽擬態とは、捕食者から身を守るため、周囲の物に姿を似せることです。
コノハチョウは、枯葉に擬態しています。
しかし、実際にとまるのは緑の葉の上で、擬態の効果が発揮されないのです。
“きみ”の美しい緑に擬態したいけど、枯葉色で悪目立ちしてしまう。
“ぼく”の、複雑な影の心境が見えてこないでしょうか?
少女の気持ち
“ぼく”の晴れ晴れとした気持ちと憂いをコノハチョウで表現していることがわかりました。
それでは、“きみ”である少女はトレイラーの中でどのように描写されているのでしょうか?
ひざまずく少女
右側に陣取り、木の根元でバラを持っている少女。
少女はひざまずいています。
これは“ぼく”への好意を表している行動です。
バラを持って蝶を誘っている。
一見美しい行為ですが、蝶は少女の手元のバラに一旦とまり、少しとどまった後飛び立ちます。
花を好まない蝶
コノハチョウは花を好まず、樹液や、腐った果実の汁を吸う蝶です。
“きみ”は、気分のいいときは、ひざまずき、“ぼく”をおびき寄せます。
同時に、途端に落ち込み、食せないバラを与え、ひどい仕打ちをするのです。
忘れないで
ぼくはいつでもWatching You
(Chasing You)
忘れないよ
きみをいまでもLoving You
(I like You)
出典: ソレイユ/作詞:高田漣 作曲:高田漣
情緒の激しい“きみ”に揺れ動く“ぼく”ですが、無意識に、好きでない物には近よらないのが動物の本能。
一方で、醜いものが好きな“きみ”は、“ぼく”を近づけたがらないのです。
タカシという美しいボーカリストを。
“ぼく”と“きみ”は本来相容れない関係です。
それでも“きみ”が好きな“ぼく”は、少し離れたところから、“きみ”を見つめ、追いかけています。
ストーカーのように。
それぞれの“いちばん”
新しいファンに訴えかける作品
最後は恐ろしい着地となってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
「ソレイユ」は、ジャケットにもトレイラーにも超特急のメンバーが出てきません。
超特急の作品としては珍しいことです。
「ソレイユ」の世界観は、タカシの歌声の可能性を広げます。
また、超特急の新たなファン層に訴えかける作品になっているのではないでしょうか?
ドラマの流れで聞くと、思い入れは一層深くなる気がします。
それぞれにとっての、“いちばん”を思い、気持ち豊かになる作品ですね。
最後に
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