サウンドやMVの映像が壮大かつ美しいのは、宇宙にまで広がるような歌詞に由来するでしょう。
はかりしれないほど遠い空には、ギリギリ見えるくらいの星たちが瞬いているということ。
そんな星たちを奇跡の印と思いたいわけですね。この詩的な情景描写も心の内を表しています。
これまでは枯れた人生だと思っていたけれど、変化の兆しが見えてきたということでしょう。
「3D彼女」の筒井光が五十嵐色葉(いろは)と交際を始めたこともイメージできる展開です。
筒井光にとってはまさに奇跡!ただし、交際は条件つきなので、微かな輝きという話でしょう。
奇跡の繰り返し?
繰り返しでも
振り出しでもいい
無邪気に見せて
出典: 破顔/作詞:山内総一郎 作曲:山内総一郎
伸びやかなボーカルが印象的なパートです。ここはやはり「3D彼女」のイメージが強いでしょう。
転校するまでの半年間という期間限定の交際。筒井光には様々な思いが交錯するはずです。
もっと交際を続けたいと考えると、繰り返しとか振り出しに戻る方法しかないのかもしれません。
どうにかして五十嵐色葉の無邪気な笑顔をずっと見ていたい……ということでしょう。
アニメを離れて解釈すると、それぞれの人にとって微かな奇跡のような出来事が想像されます。
同じことの繰り返しや最初からやり直しみたいな話でもいいから、奇跡が続いてほしい……と。
季節の移り変わりや星空にたとえながら、日常のささやかな幸せを喜ぶところが美しいですね。
なりたい自分になる?
会いたい人とは?
会いたい人に会えたかな
なりたい人になれたかな
君が君らしくいることで
僕が僕らしくいれたよ
出典: 破顔/作詞:山内総一郎 作曲:山内総一郎
圧巻のサビです。歌詞に出てくる人物は特定の誰かではなく、幅広く解釈できそうです。
ただ、「3D彼女」のエンディングテーマなので、アニメのストーリーとも関係があるでしょう。
主人公の筒井光はゲームやアニメが好きな地味男子、五十嵐色葉は派手な美少女という設定です。
些細なきっかけで交際が始まりますが、お互いに会いたい人だったのか?が見どころでしょう。
キャラクターの異なる2人が、それぞれ自分らしくいることでどのような関係性になるのか?も。
アニメとは別に、「破顔」を聴く人もそれぞれの関係性や自分らしさを当てはめることができます。
身近にいる人、愛する人が本当に会いたい人だった……そう思える関係性だと素敵ですね。
息をするだけで凄い?
心配せずに生きよう!
ただ息をする今日という日が
何より素晴らしいことさ
何もいらない さあ行こう
心配なんか何もない
何もない さあ行こう
出典: 破顔/作詞:山内総一郎 作曲:山内総一郎
要するに今日、生きているだけで本当はものすごく奇跡的な話であるという意味でしょう。
たとえば冬になって枯れ葉だらけになった木々も、実は生きていて春には若葉を芽吹かせます。
はるか遠くの夜空にまたたく星たちは、誕生してからどれほどの年月を重ねているのでしょうか。
季節の移り変わりや宇宙の星たちといった、壮大な命の循環を想像させる歌詞からの今日です。
目の前の日常で悩むことがあっても、生きているだけで奇跡!と考えると何も心配はありません。
とにかく生きよう!前を向いて進もう!という熱いメッセージ。涙腺崩壊ポイントでしょう。
命のありがたさはものすごくアタリマエすぎて忘れがちな話でもあります。本当は有難い奇跡!
登る朝日の意味は?
大事なのは笑顔!
微笑みが何気ないふりで
繋いでた 二人を繋いでた
出典: 破顔/作詞:山内総一郎 作曲:山内総一郎
重厚なサウンドの間奏のあとに続く、伸びやかなボーカル。「ラララ~」のコーラスも印象的です。
「破顔」を聴く人それぞれの人生やフジファブリックというバンドの存在も重ね合わせつつ……。
ここはアニメ「3D彼女」のストーリーを強く意識した歌詞になっているでしょう。
どんなにキャラクターが違っても、訳アリの交際でも、笑い合えることの素晴らしさ!
お互いに笑顔さえあれば、2人はつながっている……そう感じられるという話でしょう。
確かに何気ないことかもしれません。そんな些細な日常こそが関係性を築くわけですね。