メジャー1stアルバム『D.N.A』収録曲
アルバムタイトルの意味
2000年にリリースされたJanne Da Arcのメジャー1stアルバム『D.N.A』。
遺伝子を意味する略語ではなく、『Different Native Answers(異なった自然の答え達)』の略語になります。
大阪のインディーズシーンからメジャーシーンへと駆け上がった彼ら。
その中で感じたこと、思ったこと、経験した出会いや別れを素直に言葉にした楽曲が詰まっています。
メンバーそれぞれの素直な感性を、Janne Da Arcというフィルタを通すことで成形された答えの集合体。
それがこのアルバムなのです。
今回は、そんなアルバムの7曲目に収録された『桜』をご紹介します。
『桜』の世界観
ボーカルのyasuさんが作詞、ベーシストのka-yuさんが作曲したこの曲。
実は、ka-yuさんの実話が元に構成されているのをご存知でしょうか。
この曲は、桜を見ることで別れた恋人とのことを思い出してしまう切ない物語です。
しかし、疾走感のあるメロディからおわかりいただけるとおり、ただ切ないだけではありません。
それはどういう意味なのか。
順を追って考察していきましょう!
冬から春へと移り変わる時
思い出の季節への誘い
白い世界が彩づきだし
淡く 淡く 優しい雪は雨にとけて
風が運んだ4月の香は
遠い 遠い 記憶の君を蘇らせる
出典: 桜/作詞:yasu 作曲:ka-yu
上記、冒頭の歌詞から、主人公と「君」と別れた季節は4月であることがわかります。
雪が溶け、春へと移ろう冬の終わりは「君」との別れへ向かう季節として心に残っているのでしょう。
「もうすぐ終わってしまうんだ…。」
という切ない思い出が嫌でも蘇ってきてしまう、主人公の気持ちが痛いほどわかる歌詞になっています。
そんな主人公を苦しめるものは、何も季節の香りだけではありませんでした。
重なる情景
また僕を立ちどまらせた 春をまとう恋人達
咲き乱れたその景色に まばたきさえ忘れて
出典: 桜/作詞:yasu 作曲:ka-yu
主人公を苦しめるもの。
それは、街で見かけるカップルたちでした。
本来なら、主人公と「君」がその装いで街を歩いていたはずです。
しかし現実はそうではなく、今主人公はひとりでその様子を見ています。
芽吹きだした花のように、たくさんのカップルが街を闊歩している。
この景色を見るだけで、主人公の心は締め付けられるように苦しいのです。
では主人公と「君」は、いったいどのような別れ方をしたのでしょうか。
主人公は「君」のことを嫌っていないように見えます。
相手を嫌いにならず、ここまで未練を残す別れ方とは。
そのことについて語られているのがサビの部分になります。
別れ際の約束
切ない約束
今頃君もどこかで舞い散る花びらを見て
あの日指きりした約束思い出してるの?
"そのうちお互いを忘れる時が来るけれど
少し思い出して、、、、桜の花を目にしたら、、、、"
出典: 桜/作詞:yasu 作曲:ka-yu